長い文章と短い文章

最近、仕事で書く文章は長いものが多い。5000文字とか、単行本だと10万文字以上。
そんなに長い文章を書くのは大変!というのは、割と誰でも分かってくれると思うけど、短い文章なら楽かというと、簡単にはそうともいいきれない部分もある。

もちろん、長ければ長いほど、中身となる材料がたくさんいるから、調べたり取材したりという時間は当然たくさんかかる。それをどういう風に組み立てるかっていう構成も大事。実際に文章を書く以外の部分に手間がかかるってことだ。

逆に、短い文章の場合、盛り込むべき内容っていうのはそれほど多くないから、そういう下準備の時間はそれほどかからないことも多い。(その分野について根本的な知識が欠けている場合は別)

その代わり、使う言葉とか、リズムとかにものすごく気を遣う。それは短くなればなるほど。

その最たるものがキャッチコピー。ほんの10文字ぐらい、サラッと適当に書けちゃいそうだけど、そこに言いたいこと、伝えたいこと、イメージを凝縮しなくちゃいけないから、ピタっとハマルものを探すのって意外に大変。形容詞ひとつとっても「美しい」のか「きれい」「ビューティーフル」その他、使う言葉ひとつでイメージが全然違ってくるから。そして、クライアントや編集者の好みもあるし。

その文章なり製品なりが一番伝えたいイメージは何なのか。ターゲットはどんな人で、その世代や性別に一番刺さるワードは何なのか。

Webや雑誌みたいに「流し読み」されることが基本の場合は、タイトルや小見出しも似たような苦労がある。そこで目をひいてもらわないと、いくら本文でイイコトかいても読んでもらえないから。

しかも、1つのページの中に、いくつもキャッチコピーや小見出しを造らなくちゃいけないときなんて、かぶらないようにするのも大変。

たとえば、スイーツのお店の特集ページがあったとする。同じようなエリアの同じようなメニューのお店のキャッチをどう書き分けるか。

読む人にしてみれば、こんなの深く考えないで適当にサクサク書いてるんだろうなと思われるだろうけど、結構苦労してるんですよと。

なんでこんなことを書く気になったかというと、今日、久しぶりにすごく短い文章を書いて、「一つひとつの単語選び」に気を遣うっていうのが、久しぶりだなぁと懐かしく思いだしたから。

昔雑誌が中心だった頃は、文字数の制約も厳しかったから、そこにおさまる文字数でピッタリの言葉を探すって、もうパズルみたいな世界だったっけ。

その点長い文章は、書いても書いても終わらないし大変なんだけど、長々説明できる分、そこまで「単語一つ」にこだわることってしてなかったなって。文字数もかなりざっくりだし。

そういう意味で、久々に頭の体操をした気分(笑)。


2015.10.16 | | コメント(2) | トラックバック(0) | おしごと



本のつくり方、売れ方

先日紹介した、NPO理事長の本。



出版後、理事長さんの元に寄せられる感想メールをときどき転送してくれるのだけれど、なかなか好評らしい。

テーマが限定されている地味な本なので、もちろんベストセラーになるわけではない。感想を書いてる人も、もともとこういう活動に関心があったり、理事長さん自身と接点があったりした人のようではあるものの、関心を持ってる人に面白かった、よかったと言ってもらえるというのは、本望というか。

今回の本は、理事長さんという強烈な個性を持つ人がいて、彼のこれまでの活動の内容、それを分析したり説明したりする能力、そして出した本を広く宣伝できるネットワークというのが大きな武器になっている。私は、それを文章という形にしただけ。

そのあたりの役割分担について、今日のちきりんさんのブログが分かりやすく説明していた。

本に必要な4要素のアンバンドリング

本が売れるために必要なのは、コンテンツ、文章力、企画編集力、販売力の4つ。著者本人がこれを全部持ち合わせている必要はもちろんなくて、特に強力なコンテンツを持ってる人であれば、あとの部分はプロに任せてしまえばよしと。それが芸能人とかアスリートとか本人自体に知名度があれば、販売力も加わるから鬼に金棒。

逆に4つの要素をバランスよく、まあまあ持ってる程度だと厳しいよと。文章力や編集力はそこそこあるけど、自分自身にはたいした体験もなく、つまりコンテンツがないのなら、コンテンツを持ってる人に取材して本にすればいいと。私みたいな職業ライターはこのカテゴリに入るのかな。

コンテンツも文章力、編集力もないけど、ネットワークがある人(フォロワーがたくさんいるとか)なら、販売力以外の部分を全部外部調達しちゃう手もある。

ごもっともな意見だけど、それを明快に解説して納得させるところは、さすがちきりんさんだわね。

理事長さんの場合は、ご本人がコンテンツと販売力を持っていた。だから他の部分を補うべく、私というライターを使ったわけだ。以前にも同じ手法で2冊の本を出した実績があり、自らの影響力、販売力を駆使してそこそこの数を売っている。だから、今回も出版社は二つ返事で出版を引き受けてくれた。そして、そのからくりと本人自体がよく分かっている。

そんな経緯でできた本なので、出版社には最後の段階でちょっとアドバイスをもらったのと、装丁や印刷、販売という仕上げをやってもらった。タイトルは私と理事長さんと出版社の担当者と3人で知恵を出し合って決めた。すべての取材や執筆を終えた時点からの合流にもかかわらず、出版社の担当者は私たちの思いをくみ取って、装丁などもうまくやってくれたと思う。

本を出したり何かを書いたりするときはいつも思う事だけど、私としては、読んだ人のひとりでも多くの人に、何かの気づきやパワーや元気や、そういうプラスの作用があるといいな。


2015.06.02 | | コメント(2) | トラックバック(0) | おしごと



本が出ました!

ちょっと前に書きかけて下書きフォルダに入れてあったまま、すっかり忘れてた。FBでは告知したのですが。

去年の秋口から冬にかけて取材、執筆した本が出版されたので、お知らせ。



知り合いの編集者を通じて、とあるNPO法人の理事長さんからお話をいただいたのが昨年の夏の終わり頃。9月、10月とお話を聞きに通ってまとめたのがこの本。

本文は理事長さんの一人称として書いているので、本来私の名前は出さないつもりだったのだけれど、「第三者として関わった私の目線であとがきを書いて欲しい」という理事長さんの希望で、必然的にライターがまとめたということを明かす形になったため、出版社の判断で共著の扱いになった模様。

ただ、基本的にここに書かれていることは、すべて理事長さんや他の職員など、この本に登場する人物から直接聞いた話を元にまとめたもので、私はあくまで文章として構成しただけ、ということ。まあ、イタコみたいなもんですな。世の中にはこういう本がたくさんあるわけで。

この理事長さんは、自治会的な仕事をきっかけに地域活動を行うようになり、ついには外資系企業の営業マンとしての職を投げ打ち、40代でNPOを設立してしまったという方。弱者を見つめる優しい目とビジネスマンとしてのシビアな考えで、このNPO法人を成功に導いてきた。その筋では結構有名なようで、日本各地の講演会などでも引っ張りだこのようだ。(話も面白くて上手なので)

その活動を続けてくる中で、意図せずに面倒を見ることになった数人の若者たち。最近は若者のNPOというと、いわゆる意識高い系のアグレッシブな人たちも多いようだが、彼らはちょっと違う。本の中の言葉を借りれば「効率優先のビジネスの世界に違和感を感じる」心優しい若者たち。

そんな彼らが、ある人はたまたま、ある人は理事長の活動に憧れて、集まってきた。それを「困ったことになったなぁ」と思いながらも、時に厳しく叱咤し、時に温かく包み込みながら育ててきた軌跡を綴ったのがこの本の内容だ。

理事長さんの強い個性で知られてきたこのNPOだが、「その後の世代が立派に育っていることを世の中に示したい」というのが、この本を出版する狙い。

なので、この本を読んだ人が、このNPOの将来に可能性を感じてくれれば、まずは成功。同時に、同じような組織で後継者を育成するためのひとつの事例として提示できればという願いもある。

私の個人的な感想とすれば、この本を作るにあたって、私からいろいろなことを突っ込まれて、昔のことを振り返ったり考えさせられた経験が、そして、一冊の本としてまとまった自分たちの歩いてきた道のりを改めて客観視することが、彼らの自信になり、さらに飛躍するきっかけになってくれればいいなと思う。

興味のある方は、ぜひ手にとって見て下さい。





2015.05.16 | | コメント(2) | トラックバック(0) | おしごと



例によって、確定申告

毎年、2月中旬の受付が開始されると、早くすませなくちゃって焦り始める。それが今年は、五輪に夢中になっていたせいか、「あー、始まったな~」と思いつつ、なんとなく、「そのうちねー」ってのんびりしてた。

のだけれど、さすがに3月を目の前にして、やっと重い腰を上げましたさ。

ここ数年は、だいたいリアルタイムに帳簿を入力するようにしているので、大した手間じゃないはず。

e-taxは以前手続きしたけど、住基カードの有効期限が切れてしまってから面倒でやってない。国税庁のHPで申告書だけオンライン入力して印刷して送付する。

ということで、国税庁の入力サイトへ。うーん、だけどやっぱりよくわかんない。帳簿ソフトの貸借対照表を数値を写すだけなのに、なんか計算が合わないぞ。

結局、帳簿の入力に間違えた部分があったので、修正して、なんとかつじつまがあった模様。

そもそもの知識がない私、貸方、借方の概念もいまひとつ分かったような分かんないようなでやってるので、うっかりすると逆に入力しちゃったりして。そして、この後に及んで、去年の帳簿を付け始めるときに、一昨年のデータを繰り越ししないで始めちゃってたもんだから、数字があわないはずだよね。

それにしてもさー。10年以上もやってるのに、なんでこんなに分からないんだろう。我ながら呆れちゃう。青色申告用の帳簿はすごく複雑なんだけど、私の場合はモノを仕入れたり人を雇ったりしてるわけじゃないので、本来はすごくシンプル。そんなむずかしいことはないはずなのになー。って、毎年言ってるね(笑)。

そもそも、微々たる収入となった今、こんな面倒な思いをして青色申告をする意味があるのかしらんと疑問もあるのだけれど。

でも、もしかして、突然大きな仕事がドッカーンと来て、高収入になるかもしれないし!?

白色の申告がどうやるんだったかも覚えてないので、それを調べるのも面倒だし、来年もこのまま行くことにしよう。

っていうか、いったいあと何年仕事してるんでしょうね??

2014.02.28 | | コメント(2) | トラックバック(0) | おしごと



時間配分はむずかしい

昨日、某女優さんのインタビューの仕事があった。娘に言っても「誰それ?」だけど、私たちの年代以上なら、まず誰でも知ってるような方。ご本人はとても気さくな感じのいい方で、フランクにお話が聞けてなかなかよかったのだけれど。

問題はギャラリー。この案件は広告がらみなので、スポンサーやら事務所やらなにやら総勢10人弱ぐらいの人が、ちょっと離れたところに座って、私たちのやりとりを聞いているのだ。

さすがに私も年の功、新人ではないので、気にしないことにして話を進めていたのは良いけれど、女優さんがあまりにたくさんお話してくださるもんだから、聞く予定になっている話題にたどりつかないまま、どんどん時間が過ぎていく。私もときどき時間は気にしていたんだけど、途中でついに、女優さんの頭の後ろに「あと○分」というカンペまで出る始末。普通の取材なら若干押すのもアリなこともあるけど、相手が芸能人となると、しかも、このあとどこかへ移動というスケジュールも聞いてるので、時間内には終わらせないと。

原稿自体はそれほど文字数が多い物じゃないし、事前にいろいろインタビュー記事も入手しているので、なんとかつなぎ合わせて書けなくはないのだけれど、今回は広告タイアップなので、クライアントさんが「ぜひ入れてほしい」と思ってるポイントははずせない。しかも始まる寸前に「このことは是非聞いて欲しい」と念を押された話題について、まったく触れないまま終了っていうわけにはいかない。

ピンチ!なんとかその話題に持っていって、一言二言でもコメントをもらわなければ! 

とはいえ、相手が気持ちよさそうに話しているのを途中で遮ることはできない。でも、目の端には、「ギャラリー」がしきりに腕時計をチラチラ見ている様子が入って来る。うー、プレッシャー。

話が途切れた一瞬にすかさず、「なるほど~。すごく深いお話で、個人的にはもっとたくさんお聞きしたいんですけど、すみません、ちょっとお時間がなくなっちゃってきたんで……」と、違う話題に移らせてもらう。

もちろん、聞きたいことの概要については、女優さんにもあらかじめ書面で渡してあるし、冒頭に口頭でも説明してあるので、幸い嫌な顔もせず「あ、そうですね」と応じてくれた。

結局、なんとか最低限のコメントは引き出して無事終了。ホッ。

終わって、ご本人が帰られてから、「ハラハラさせちゃってすみませーん」とギャラリーにお詫びすると、「いやー、どうなることかと思ったけど、よく着地させましたねぇ」と感心された。やっぱりひやひやしてたのね。

今回の反省点としては。
インタビューではたいてい、相手がリラックスしてお話してくれるように冒頭はゆるゆると進める。ブレイクスルーというか。その結果、今回はそのペースをひきずっちゃって、ご本人も、つい関係ないことまで話してしまう状況になってしまったというか。相手も取材慣れして話慣れているのだし、もっと最初からポイントに斬り込んでいってもよかったのかもしれない。お話自体楽しかったし、直接誌面に反映できないことにもいちいち反応しすぎてしまった嫌いもあるかな。

いやいや、何年やってても、まだまだですな。


2013.09.01 | | コメント(0) | トラックバック(0) | おしごと



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