読書録:『親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと』


えっと、びっけさん、さすがに前のめりすぎ、、なんて言わないで~。
何ごとも「予習」しておかないと気が済まないタチなので。

「病院から危篤の連絡が入る」ところから始まって、看取り、葬儀、その後の手続きなどなど、納骨までの一連の「しなければならないこと」をマンガも交えて、分かりやすく解説してくれる本。

実は、ちょっと前にも同じような本を購入してあった。

こちらの本は、さまざまな手続きについて整理した形で書いてあるので、本番の際のテキストブックとして役立ちそう。

ただ、パッと見て理解するという意味では、この『親が死んだ5分後に~』の方が分かりやすい。特に臨終の日のドキュメントは、経験したことがないだけに参考になった。マンガという手法が印象にも残りやすいし。細かいところは覚えておけないけれど、とりあえず流れを物語的にシミュレーションできるたのは収穫。

病院からはすぐに搬送しなければならないけれど、葬儀自体の依頼は、搬送を依頼する業者とは別の業者にしてもかまわないとか、葬儀会社の選び方とか。

後半の遺産相続についての部分は、これまでに見聞きした内容とあまり代わり映えがなく、むしろ、え、この説明じゃ不十分じゃない?と思うところもあった。家族の絆をうんちゃらかんちゃらとか、理想的なことを書かれてもねぇとちょっと斜めに読んでしまったのは、私の心がねじれてるからね。

ここに書いてあることがすべてじゃない(ケースバイケースだったり)だろうけど、いずれそのときを迎えるために、読んでおいて損はないのでは。

2017.06.20 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代』


タイトルに入ってる名前は、たぶん読者の目をひくために有名な2人の名前を並べただけで、別にこの2人を比べて対決させてるわけじゃない。その他大勢の料理研究家を紹介しながら(中でもこの2人のページ数は多いけれど)、その時代背景を分析した本。

それぞれの人が活躍した時代、日本のお料理事情はどうだったのか、主婦の暮らしや関心はどんなところにあったのか。こういう時代背景があったからこういうレシピ本が売れて、こういう料理研究家が人気になり……という感じ。食卓の歴史でもあり、レシピ本の歴史でもあり、主婦や女性の行き方の歴史でもあり。

西洋料理が憬れだった頃、エスニック料理がブームになった頃、お袋の味の基本レシピにニーズが高まった頃、時短レシピが求められた頃、男子レシピが注目された頃、エトセトラ。

著者は私よりちょっと若いけれど、かなり乱暴にまあまあ同世代として、出てくる料理研究家はほぼ知っている人ばかりでなかなか懐かしかった。江上トミ、飯田深雪、城戸崎愛、有元葉子、小林カツ代、栗原はるみ、土井勝、辰巳芳子、ケンタロウ、栗平心平、コウケンテツ、高山みなみなど。(平野レミがないのは、あえて避けたのか?)

ネット時代になって、素人ブログから本出しちゃう人もたくさんいるし、レシピ探すのもネットで検索しちゃうことが多くて、もうプロの料理家のレシピ本の時代じゃないのかなぁなんて勝手に思ってたけど、こうやって改めて歴史を振り返ってみると、やはりいっぱしの「料理研究家」のレシピ本っていうのはそれなりに魅力があるし、久しぶりにまたペラペラ見てみたいかな、なんていう気になった。

お料理好きな人もそうでない人も、「業界」にいた人も(笑)、私世代の主婦ならみんな楽しく読めるのでは?




2017.06.17 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『キャスターという仕事』


2016年3月まで23年間NHKの「クローズアップ現代」のキャスターを務めた国谷裕子さんの本。

新書なので実際には↑の画像にあるような本人の写真付きの帯などはないけれど、テレビで顔の売れた人の本、そしてこのタイトルから、よくあるテレビ裏話的な軽いノリを想像するとちょっと違う。

番組を引き受ける以前の経歴から、始まったときの頃の話、そして23年の歩みを振り返りながら、彼女が「キャスター」という仕事をどう捉え、どう取り組んできたかということに真正面から向き合った硬派な内容となっている。

この番組は、たぶん放送時間が7時半になった頃からずっと見ていたと思う。毎日見ると決めている7時のニュースの後番組だからという理由だけれど、実はつけてるだけであまり見てなかった7時のニュースよりも、こちらの番組の方が真剣に見ていた気がする(テーマによるけれど)。

海外の著名人にも通訳なしで直接インタビューできる語学力はもちろん、ありとあらゆる分野の専門家と対等に語り合える博識ぶりはすごいなぁと、いつも感心していた。同時に、そのためには裏でどれだけの勉強をしていたんだろうと。

そして残り時間数分なのにグイグイ斬り込んでいく攻めの姿勢。生放送だけに、見ている方がハラハラすることもたびたび。

そんな風に思いながら番組を観ていたので、本の中で触れられている過去のエピソードや、番組がどんな風に作られているかという話も興味深く読んだ。降板に至った経緯なども含めて。

熱があっても吐き気があっても決して休まず、足下にバケツ置いてやり通したという。とにかく、どれだけこの番組に、そしてキャスターという仕事に真摯に全力投球してきたということがよく分かる。

彼女自身の問題だけじゃなく、テレビというメディアの持つ力、陥りがちな危険、それにどう立ち向かうか、というメディア論みたいなものに触れられている部分も考えさせられた。まして、番組が始まった頃と、インターネットが普及した現在とでは、テレビの持つ役割、影響力なども大きく変わってきている。世界中の情報があっという間に拡散していく今、フェイクニュースなど問題視される中、「意図」を持って取材をして番組をつくり上げる意味、「公正さ」とは何なのか、などなど。報道に関わる人にはぜひ改めて考えてほしいと思う。




2017.06.11 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『我らがパラダイス』


有料老人ホームを舞台に、介護される老人の格差をテーマにした林真理子の小説。

主人公は、超高級有料老人ホームに勤務する3人の中年女性。職場では優雅な老後を送るお客様たちを見ている一方で、それぞれ自分の家庭にも介護すべき親を抱えている彼女たちが、切羽詰まってある行動に出るというお話。

主人公たちが直面する切実な介護問題が描かれる物語の前半は、林真理子ならではの本音トークが炸裂し、きれい事では済まないドロドロの人間模様がリアルに描かれる。特に、兄弟が非協力的で、ひとりで背負い混んで追い詰められていく様子は、共感できる人いっぱいいそう。

後半の彼女たちの取った行動やその後の顛末は、物語が進むにつれてどんどん非現実的になっていく。それについては、Amazonのレビューでもかなり賛否両論分かれていた。

介護の経験を綴った本も何冊も読んだけど、大変だったとはいえ自分にとっていい経験だったとか、最期は感謝の気持ちを抱いたとか、きれいにまとめたものは山ほどある。そうやって自分の中で整理するしかないのかなという気もするけれど、なんかモヤっとしてしまう部分もある。

その点、フィクションである分、苦労話や美談に終わらせることなく、荒唐無稽な展開でスカッと?させる展開は救われる部分もある。ただ、最後の「事件」は、つまんなかったから、もうちょっと違う結末にできなかったかなとは思うけどね。




2017.06.10 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『医療にたかるな』


財政破綻した夕張市で「医療の再生」に取り組んだ経験から、日本全体の医療問題への警笛を鳴らした本。

北海道生まれの著者は、薬学部を卒業後一度は薬剤師として働いた後、医学部に入り直して医者になったという変わり種だ。各地の地域医療に取り組んだ流れで、誰も引き受け手のいなかった夕張市民総合病院を引き継ぎ、その再建に努めた。

著者曰く、夕張の破綻の背景には、炭鉱が栄えていた時代に吸った甘い汁の味が忘れられない「たかり体質」があるという。これについては他で話を聞いたことがないので、そう言い切ってしまうことの善し悪しは、私には自信がないけれど、諸外国と比べても、日本人が健康保険制度に甘えすぎているという指摘はある意味正しいと思うし、行き詰まりが見えてきた今、一人ひとりの医療に対する意識改革というのは必要なことも事実だと思う。

現状を打破するためにとにかく、夕張で彼は、まずは住民の健康意識を高めたり、医療関係者や行政の側の意識改革から始めて、ひとつひとつ取り組んできた。その過程は、よそモノとしての白い目だったり、既得権からの反発だったりということと闘いながら、かなり険しい道だったようだ。

本の中では、かなり具体的な批判もあったりして、敵も多いんだろうなと思わされる。けれど、前書きでも宣言しているように、批判は覚悟であえて厳しいことを書いているということのようだ。

そして、この本の目的は、夕張の人を批判することではなく、夕張は少子高齢化に悩む日本の縮図であり未来図でもあるという考えからの、日本全体への問題提起でもある。

この本は2013年に出版されたもの。近況を調べようとと思ったら、なんと今月11日に亡くなっていた。白血病だったらしい。合掌。

闘う医師・村上智彦さんが残してくれた「医療」に対する姿勢





2017.06.08 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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