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読書録:『NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生』


海外旅行好きな私には、旅行の計画にも現地での移動にも、なくてはならないGoogleマップ。その誕生ストーリーを内部者の目線で綴ったもの。著者は、Googleアースの生みの親と言われる元Google副社長ジョン・ハンケの学生時代からの友人で、スタートアップの頃から彼と共に歩んできた人。

キーホールという会社を立ち上げたジョンは衛星写真を見られる「アースビューア」という、いわばGoogleアースの原型のようなものを作り出し、Googleに買収された後はGoogleでGoogleマップやGoogleアースという大ヒットサービスを作り出していく。

キーホールの立ち上げが1999年。ネットバブルの崩壊で資金調達に悩むなか、2003年のイラク戦争でCNNに彼らの開発したアースビューアが使われたことで大ブレイク。2004年にGoogleに買収され、翌年Googleマップ、Googleアースの発表……。ほんの数年の間で次々と新技術が世の中を席巻していく疾走感たるや!

テクニカルなことはよくわからないけど、今私たちが当たり前に使っているものが実現するまでには、ものすごい技術が応用されているらしいことは伝わってくる。そして、その開発には多大な投資が必要で、それを獲得することがいかに大変か。いろいろな会社を買収しては拡大していく様子も興味深い。

専門的に寄りすぎることなく物語として描かれているので素人なりに面白く読んだけど(そこそこ飛ばしつつ、、、)、この手の技術が少しは分かる人、あるいはビジネスの経験のある人なら、もっともっと刺激的でワクワクしそう。

個人的には、今毎日のようににらめっこしているGoogleマップが使えない時代があったんだなってことをいまさらながら思い出して、感慨深かった。途中で「青いドット」が登場するシーンがあるんだけど、何かと思えば、現在地を示すあの青い丸。そうだ、あれも最初はなかったんだよねぇ。

昔、地図ソフトというものをCD-ROMで売っていた頃(マップファンとかゼンリンとか)、PC雑誌で比較記事を書いたのも遠い記憶。パソコンで地図を見るってああいうことだったのに。

GPSと連動した青いドットが登場し、iPhoneの発売で、それを持って歩く→歩きながら地図を見るというスタイルが地図の利用法を変え、爆発的に定着したのだった。そうだ、そうだと、懐かしく思い出す。

本の冒頭で、Googleマップの登場で「Googleマップの登場でもう迷子になる人はいなくなった」みたいな文があった。いなくはならないけど(イジワルを言えば、Googleマップを信じすぎて迷子になることも!)、でも、地図や移動のいろいろに革命的な変革をもたらしたことは間違いない。この辺は、今朝ドラでやってるまんぺいさんと重なるところも?

Googleマップはその後もじわじわと機能を追加し、いつの間にかナビができるようになり、乗換案内の機能もついて、ストリートビューも見られるようになった。グーグルアースも、気がついたらインストールしなくても使えるようになってた。ほんとにほんとにいろいろ便利になった。

ちなみに、ジョン・ハンケという人は、Googleの内部で始めたスタートアップ会社を独立させ、2016年にはあのポケモンGOをリリース。なので、巷ではポケモンGOの生みの親という方が有名なのかな。いろいろ調べていたら、この人NHKのサラメシに出たことがあって、そういえばたまたまその放送を見たことがあったのだった。(こちらに写真などがちょっとあった)

まだ50代だし、今後もあっというもの生み出してくれるかもね!

2019.03.18 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『母のあしおと』


道子というひとりの女性を描いた連作集。

彼女の死後から始まる物語は、一章ごとに夫、息子、嫁、親戚、母と、道子のまわりの人たちの視点から、時代を遡って綴られていく。この手法はとてもユニークだけれど、語り部を変えることで、妻として、母親として、姑として、恋敵として、娘としての道子が、同じ人物なのに違う顔に見えてくるところがいい。

人間は、人生のいろいろな局面で、そのときどき違う顔を見せながら、違う役割を担いながら生きていくんだよね。よく、「お母さん」は生まれたときから「お母さん」だったわけじゃないというけれど、まさにそれを感じさせてくれるお話だ。

ストーリー全体として大きな展開があるわけでもなく、個性的な人が出てくるわけでもない。普通の女性の普通の人生を静かに描いたものだけれど、「当たり前の人生」だからこそ、誰の心にもしみじみとするものが残るんじゃないかな。

この本のことを何で知って、どうおすすめされていたのかも覚えてないけど、なかなか良かった。おすすめです。

2019.03.16 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



下書き蔵出ししリース 読書録:『なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか』

下書きに眠っっていた読書録。書いたのは2014年4月5日。


なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか 最強11神社―八幡・天神・稲荷・伊勢・出雲・春日・熊野・祗園・諏訪・白山・住吉の信仰系統 (幻冬舎新書)なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか 最強11神社―八幡・天神・稲荷・伊勢・出雲・春日・熊野・祗園・諏訪・白山・住吉の信仰系統 (幻冬舎新書)
(2013/11/29)
島田 裕巳

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最初に断っておくと、興味を持って読み始めてみたものの、途中で挫折して5分の1ぐらいしか読まずに終わっちゃった本。でも、記録のために、一応書いて置かなくちゃ。

最近、海外に出かけることが多くなり、そのたびに行く先々の国のことを調べたりしていると、意外に自分の国のことって知らないことが多いことに気がつく。神社もそのひとつ。

バリ島に行ったとき、彼の地にはあちこちにいろんな神様がいるという発想は、日本の「八百万の神」と通じるものがあるのかなと感じたのだけれど、じゃあ日本の八百万の神っていったいなんだろう?となると、詳しいことは全然知らない。

そんなこともあってこの本を読んでみた。2013年は伊勢神宮で20年に一度の式年遷宮が、出雲大社でも平成の大遷宮が行われたりして、神社が注目を浴びた流れで、この本もどこかで話題になっていたのだと思う。

そもそも神社には八幡神社、稲荷神社、熊野、春日……などいろいろな系統があるらしい。それぞれ、名前は聞いたことがあるし、どこかで見かけたこともある。そういえば、同じような名前の神社があちこちにあるなぁぐらいにしか思ってなかったけど。

この本では、そのうちの11の神社について、どういういきさつでできて、何を祀っている神社なのかということが、かなり詳しく書かれている。

が、詳しすぎて、ついて行けず、脱落、、というわけです、残念ながら。分かったことは、一口に神社といっても、ものすごくいろいろ種類があって、それぞれ違いがあったりして、かなり複雑なこと。そもそも神道には教義というものがないこと。古事記や日本書紀に出てくるような神話に基づいているものもあれば、菅原道真を祀った天神のように、実在の人物を祀ったものもあること。仏教の寺院と一体化する「習合」という現象も多々起こっていること。どうりで、神社とお寺の区別がよくわからないはずだ、と納得。

八幡神社のルーツをたどると渡来人、つまり新羅=朝鮮半島から来た人たちが起源になっているらしい。それで思い出したのは、朝鮮半島には日本統治時代に各地に神社の鳥居が作られたらしいんだけれど、それが戦後、日帝支配の象徴だとして破壊されたという話。元々は自分たちの民族にルーツのあるものが、日本の象徴として敵対の対象になるって、なんだか複雑な話だね。

そのほか、ピンポイント的にはへぇーと思ったところもあったけど、私のようになんの前知識もない人が、読み物気分でスイスイ読むにはちょっと手強すぎた。残念。



2019.03.15 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『老後の資金がありません』


派遣で働く50代の主婦を主人公にした小説。

やっと子育ても終え、夫の定年まで後少し。ところが娘の結婚式、親の葬式、介護などなど、次々と襲いかかる「世代あるある」な金銭問題。1000万ちょっとあった貯金は、みるみる減っていく。しかも、タイミング悪く夫婦揃ってリストラ。さーて、どうする???

という大変リアルな物語。結婚式も葬式も年金も具体的な数字が出てくるので身につまされる人も多いのでは。

話の中盤から、DV疑惑だの年金詐欺だの社会問題も盛り込んで、若干ミステリな要素も。でも、最終的にはなんとか全部解決して、明るい兆しが見えたところで終わる。

前半がリアルだった割には、途中からいかにも物語な現実離れした展開になってきて、お姑さんが物分り良すぎるよねぇとか思っちゃうけど、その分暗くならずに読めたので良かったのかな。

筋書き自体の面白さはともかく、老後を目の前にした私たち世代なら他人事とは思えない話ばかりなので、いろいろ勉強になるかも。

2019.03.13 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『思い通りの死に方』


ちょっと前のベストセラー『大往生したけりゃ医療とかかわるな』の中村仁一と、最近何冊か続けて読んだ『人間の死に方』『医療幻想』の著者である久坂部羊の対談集。

ふたりとも終末医療に関わっている経験から、何がなんでも長生きすればいいよねってわけじゃないよねとか、医療に過度な期待をしないで、病や老いを自然に受け入れて死んでいくのがいいよね、みたいな話。内容自体はふたりの著書に書かれていることで、それを対談の形で読みやすくしている感じ。

印象的だったのは、人間を繁殖期までとそれ以後に分けて考えていること。繁殖期までは、できる限りの検査や治療を受けて生きながらえるべきとしながら、一方でそれを終えた人は、もうそこまででいいじゃないかというような考え方。

一人ひとりの例にあてはめちゃうといろいろ問題はありそうだけど、一般的に言えば、それはある意味正しいんだと思う。繁殖という生命体としての最重要なミッションを終えたら、あとはまさに「余生」、あまりの人生なわけで。

実際、たとえば小林麻央みたいにまだ小さな子どもがいる人は、その子どもたちを育て終えるまではなんとか生かしてあげたいと思ってしまうし。一方で樹木希林みたいなところまで行けば、もう治療もしないというも、自然に受け入れられるだろうし。

じゃあ自分は?
もう子供も社会人になり、繁殖の時期は終えたんだから、もし何かあっても、もう自然に受け入れるべきってことよね。

この本の結論としては、タイトルにある「思い通りの死に方」なんてできないよって話になる。延命治療はしないと決めていても、いざとなったらどうなるかわからない。それは覚悟した上で、思い通りの死に方ができないなら、せめて「思い通りの生き方」をしましょうよと。

本当にいつもいつものことだけど、「死に方」を論じると最後は「生き方」の話になる。この本では、その生き方の部分のヒントとして、老いを受け入れることを説いている。若さや健康にばかりしがみつかないで、年老いて弱っていく自分を認めること。

個人的には、もう年取っちゃったんだからいいや、と投げやりになるのではなく、でも「年をとるってやーね」と否定的になるのではなくて、その年齢なりの楽しみ方ができればいいなぁと思う。

『大往生したければ・・・』の方は、10年以上前に読んだ気がしていたけど、ブログを遡るとまだ5年前だった。延命治療を否定するものとしてはこの本が初めて読んだ本だったと思うんだけど、記憶に残っているのは、がんはヘタに治療しなければ苦しまなくて死ねるっていう話と、救急車を読んだら嫌でも延命措置をされてしまうと言う話。読書録を読み返すと、この本にも生殖期うんぬんとか、生き方の話とか書いてあったらしい。それは覚えてないやー。

ちなみに、久坂部羊という人は、医療小説も書いていて、そのうち『老乱』(読書録はこちら)『悪医』(読書録はこちら)という2冊を読んだ。どちらも、なかなかおもしろかったので、興味のある方はぜひ。


2019.03.11 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 読書録



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