読書録:『96歳の姉が、93歳の妹に看取られ大往生』


93歳って老老介護にもほどがある! どういうコト?と思って読んでみたら、やっぱり普通の人の話じゃなかった。

そもそも「93歳の妹」ってのが元医者ってだけで、なーんだと思ったし、「96歳の姉」というのも、日本人初の女性代議士を務め、後に園田直さんの奥さんとなったという有名人。その姉を尊敬し、慕っていた「仲の良い姉妹」のお話なのだ。

なので、フツーに介護の本と思って読むとちょっと違うのだけれど、骨太な人生を生きたお姉さん、その晩年を支えた妹というストーリーだけでも読み物になってしまう。

ところで、96歳の姉、園田天光光さんもたくさんの本を書き残していて、そのリストを見たら、あら、私が母にプレゼントしてあげた本もあった。(そのときの日記はこちら


2013年の母の日だから、今から4年前。この頃は、年にめげずにパワフルに元気に生きてるおばあさんの本をアレコレ見繕っては母に送ってたっけ。特に感想は言ってなかったけど、どれも読んではいたようだ。何冊かはお友達にあげたって言ってたっけ。

今思えば、80歳過ぎてから、もらったものとはいえ本を読もうと思うだけ偉かったのかな。そして、年に似合わず気が若かったのも、こういう本が少しは影響してたのかしらね。

と、介護とは全然違うところにしんみりしちゃった本でした。


2017.10.18 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『パパは脳研究者』


東大の脳研究者のセンセイが、自分の娘が生まれたことで、育児記録の形式で脳の発達について解説した本。

「月刊クーヨン」という育児雑誌に掲載されたもののまとめなので、語りかけるような文章はとてもやさしくて読みやすい。「うちの子、今月はこんなことができるようになりました!」と親バカ自慢しつつ、その後に、「●●ができるようになるというのは、実は××という機能が発達したからで……」のように、「脳科学的な」説明がされる。

私たちがふだん何気なくしていることが、実はどれだけ高度なことなのか、それができるのは実は人間だけということとか、気づかされるポイントがたくさんあって、おもしろい。

たとえば、大人はストローで飲みながら息をすることはできないけど、赤ちゃんはおっぱいを飲みながら鼻で呼吸ができる。それは、赤ちゃんの時代は咽頭が上部にあって、気道と食道が別々に機能しているからなんだそうだ(サルも同じ)。それが3~4カ月たつと、自在に声を出すために咽頭が下がってくる。不思議ね~。

あと、生まれながらに持っている神経細胞の7割は3歳頃までに消えてしまうらしい。その環境に適応して生きていくのに必要なものだけが残されると。だから、どんな環境に生まれても赤ちゃんは適応する力があるという。いやいや人間ってスゴイ。

子どもの成長を、こんな風に客観的に見てたら、親としての目線もずいぶん違うんだろうなぁ。

この日記は生まれてから4歳までを扱ってるんだけど、何もできなかった赤ちゃんがどんどんいろいろなことができるようになっていく過程は、今の私が見ると、認知症の逆回し。いや、認知症が成長の逆回しか。

1歳頃の赤ちゃんは「作業記憶」というのがないので、「根に持つ」ということがないという。それって、今の父と同じだ。機嫌が悪くなることがあっても、次の日にはもう忘れちゃう。だから救われてる部分は多いのだけれど。

成長につれて、保育園で見聞きしたことを話すようになって、いっしょにいるとき以外の行動も把握できるようになったというエピソードも同様。今の父は、私がいっしょにいなかったときのことを尋ねても答えられないから、何がどうなってたのかは永遠の謎。。。。

な~んて感想を持つのは特殊な状況としても、初歩的な脳科学のおもしろさあり、ほんわかイクメン育児日記のほほえましさあり、育児についての脳科学的見地からのノウハウもあり。

全編にあふれる著者の娘さんへの愛情が感じられて、子育てって幸せなこと!と思わせてくれる。若い人はこれ読んだら子ども育ててみたくなるはず。でも、実際に育てるにはそんな楽しいことばかりじゃないから、あんまり期待しすぎるとギャップが大変かもね、、、なんて、まさに「老婆」心ですかね(笑)。

2017.10.16 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『ポジティブの教科書』


日曜日にトークショーに行ってきた武田双雲さんの本。

タイトルの通り、ポジティブ思考になれるためのノウハウを紹介。

あとがきによると、「以前はポジティブに考えることが苦手」だったという双雲さん。その理由は「技術」を知らなかったからだと。「そうか!技術なんだ!」と気づいて、「むさぼるように先人たちの教えを学んだ」という。いろいろな本を読んだり、宗教を学んだり、いろいろな人に質問を投げかけたり。「あらゆる角度からポジティブについて探求」し、自身でいろいろ試してみた結果得た「気づき」を指南書としてまとめたのがこの本というわけだ。

トークショーでも言っていたけれど、実はすべての物事にはポジティブもネガティブもなく、それをどう自分が捉えるかということ。だからその捉え方、見方、考え方を変える「スキル」を身に付ければ、オッケー!ということだ。

なんでも先に感謝してしまえとか、自分は運がいいと思い込むとか、この手の本にありがちなことではあるけれど、どれも「やろうと思えば」すぐにできそうなことがたくさん出てくる。ダマされたと思って、このうちのいくつかでも実践できれば、本当に人生は変わってくるかも?と思わされる。図書館の本だから返しちゃうけど、本当は手元に置いておいて、時々読み返してみるとよさそうな本。

トークショーのときに、自分は子どものときから人を喜ばすのが好きで、「花咲かじいさんになりたかった」という話があった。数々の著作や講演会などの活動も、みんなが幸せになれるようにという気持ちからなんだろう。「その結果喜んでくれる人の姿をイメージして始めれば仕事も楽しくなるし、うまくいく」という話が書かれていたけど、まさにそれを実践していることになる。そう話している本人、本当に幸せそうに見えるし。でも、ひねくれ者な私は、本当はどんな人?って奥さんに取材してみたい気もするけれど(笑)。

とはいえ、みんなの幸せを願っていると、それが回り回って自分の幸せにもなるって、きれいごとっぽいけど、本当にありそうな気もする。

この人の話を聞いていて、なんか似ているなと感じたのが、以前仕事の講演会で聞いた栗原志功さんという人の話。その名も「あなたの幸せが私の幸せ」という名前の会社を立ち上げちゃった変わり者。残念ながらそのときの取材記事はまだ公開されてないんだけど、こちらの記事とか読むと少し雰囲気がつかめるかも。→幸せは必ずある。本気で探していないだけ

この人はかなりぶっ飛んだ人なので、似てるなんていうと双雲さんファンに怒られそうだけど、「何を見てもすげー!って感謝しちゃえ」「感謝しちゃったもの勝ち!」みたいな発想は同じだ。

ちなみに、栗原さんの取材記事と同じ仕事で、「幸福学」をテーマにした話を何回か聞いた。いろいろなアプローチはあれど、結局、幸せになるには幸せを感じられるスキルを磨くことなのだという話に落ち着くのだ。結局、幸せの青い鳥は自分の中にいるってことなのね。当たり前すぎるけど、それが難しいから、みんなスキルを知りたいんだよね。




2017.10.10 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『あのこは貴族』


主人公は両家の箱入り娘として育った華子さん。恋人に振られ、婚活に乗りだすも失敗続き。やっと出会った理想の男性の元恋人は、華子とは対照的な地方出身の美紀。家庭の事情で慶應を中退後、夜の仕事でのし上がった経歴の持ち主だ。彼女たちを描きながら、東京と地方、上流階級と庶民との格差が描かれる。

雰囲気としては、林真理子っぽい小説。そこまであけすけではないかな。上流階級なんて友達もいないから未知の世界だけど、まあそういう人たちもいるんだろうなぁ。東京出身、半分地方育ち(転勤族)な私は、東京へのコンプレックスというのは、分かるような分からないようなだけど、今の世の中でもそういうのってあるのかしら。

話の筋としてはそれほどの展開ではないけれど、なんとなく気になって最後までほぼ一気読み。それなりに面白かったかな、という感じだけど、どちらかの女性に自分を重ね合わせられるような人は、もっといろいろお思うところがあるかもね。

2017.10.02 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



読書録:『なんとめでたいご臨終』


著者は「日本在宅ホスピス協会」の会長を務める医師。1989年に岐阜市内で「小笠原内科」を開院して以来、多数の在宅看取りを行っている。この本では、自分自身が携わった「めでたいご臨終」のケースを実名、家族や患者の写真入りで紹介している。

一言で言っちゃえば、在宅で的確なケアを受けることで、こんなにも幸せな死に方ができるんですよ、という話だ。

この前、NHKの番組で在宅看取りすすめみたいな話をやっていたのを否定的に書いたばかりなので(そのときの日記はこちら)、最初は「そんな成功事例ばかり並べて、非現実的な希望を持たせるのはどうなの?」と、かなり斜めな気分で読んでいた。

ここに出てくる事例を見ていると、今にも死にそうなケースでも、一人暮らしでも、生活保護を受けるような人でも、相談したらすぐに診に来てもらえて、医師や訪問看護師ほか大勢の人が親身になってケアしてくれている。

実際に身内を訪問医療で診てもらった身としては、全然違うじゃん!という感じ。

正直、母を担当してくれた医師は年齢も若く、経験も少なそうだった。経歴は京大医学部出身ということだったけど、いかにもエリートな感じ。お付き合いした期間が短かったこともあるけど、あまり親身になって診てもらったという感じは持てなかった。

そもそも在宅医を探していたとき、最初の医師に断られ、間に入ってくれた日大の看護師さんからも、母のケースでは難しいのでは……と言われていたところを引き受けてくれたのがこの医師。紹介してくれたのは現在父を担当してくれているケアマネさんで、「正直この先生がいいのかどうかは分からないのですが」ということだったけど、この際引き受けてくれるなら誰でも!という感じでお願いしてしまった。

この本の著者によれば、一人暮らしでも対応しているケースはたくさんあるのに、母の医師は「判断能力のある人間がいっしょに暮らしてなければ無理」と断言した。後から思えば、最期まで看取る気はなかったんだろうという感じ。それでも、板橋まで通院できなくなってから入院するまでの間つないでもらったのは感謝してるし、的確な時期に緩和病院探しを提言してくれたのも、結果的には良かったことになる。

というような自分の事情を合わせて考えてみると、この本の著者のような経験も情熱もハートもある医師に巡り会えれば「めでたいご臨終」が叶うケースはたくさんあるんだと思う。問題は、そういう医師はそんなやたらには巡り会えないということ。

協会会長という立場からすれば、それも承知の上で、同業医師への働きかけも含めての本なのかもしれない。メディアの取材なども積極的に受けてみるみたいだし。

だから、この本を読んで簡単に誰でもこういう死に方ができると期待すると大変だけど、がんばっていい先生を探せば、そういう道もあるんだよということは覚えておいてよいかも。



2017.10.01 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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