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読書録:「氷の華」

氷の華氷の華
(2007/03)
天野 節子

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先月、米倉涼子主演でやっていたドラマの原作。
ドラマ自体は見ていないのだけれど、筋をみてなんとなくおもしそうだったので、読んでみた。

ある日突然かかってきた一本の電話は、夫の浮気開いてから妊娠を知らせるものだった。逆上した妻は、相手の女性の殺害を計画する。犯行は予定通りに遂行したものの、次第に明らかになる事実から、彼女は本当は浮気相手ではなかったのでは、という疑問がわいてくる。そしてたどりついたのは、過去の出来事につながる、彼女を陥れようとする陰謀だった……。

久々に、謎解きを存分に楽しんだミステリー。
いろいろなところに伏線が張られているので、「あ!」と思ったときに、前のページを読み返してみる、ということがたびたび。こういうことできるのが、本のよいところ。

ドラマの方のサイトに行ってみると、詳しい筋が書いてあったので読んだ見た。
職業などの設定が違うほかは、ほとんど原作通りの展開になっていたようだ。仕掛けの部分で、より説得力のある因果関係になるように変更してある部分はあるけれど。

本自体も、どうなるの?とハラハラしながら楽しめたけど、ドラマも面白かったかも、という感じ。DVDになったら借りてみようかな。

読書録:「英語をめぐる冒険」

英語をめぐる冒険英語をめぐる冒険
(2008/05)
岩村 圭南

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NHKラジオ講座で「徹底トレーニング英会話」の講師をしている岩村圭南センセイの初エッセイ。

自らを「英語トレーナー」と称し、「英語はトレーニングだ」「英語の口と耳の筋肉を鍛えよう」を提唱している岩村センセイ。文法解説などはほとんどしないで、15分間ひたすら実践トレーニングをするこの番組は私のお気に入りで、2006年からずっと続けている。

学生時代、文法の解説書の最初のページから順番にきっちり読んでいかないと気が済まないタチだった私にとって、理屈はいいから、とにかくトレーニング、口と耳が慣れれば自然に覚えるというこのメソッドはなかなか新鮮で、15分間眠くなる間もなくあっという間。

おかげで今では英語の実力もすっかりアップして!

とはいえないところが悲しいけれど(^^;)。
それは、ひとえに私の努力が足りないからで、この番組とテキストを真剣に繰り返し練習すれば、きっと効果はあると思う。

で、このエッセイ。
センセイが、子どもの頃からどういう風に英語に取り組んできて今に至ったかの経験談が書かれている。

一言でいうと、この方、まさしく英語オタク!

子どもの頃のエピソードからすると、私よりはかなり年上のようで、まだろくな英語教材などもなかった時代。中学で初めて英語と出会った瞬間からその魅力に魅了され、ひたすら教科書を書き写すことにヨロコビを感じて、右から左に書いたり、両手で同時に書いたりしていたというから、まさに病的(笑)。

その後、高校、大学と進むうちに、ひたすら音読するとか、ネイティブの発音にかぶせて真似する練習とか、まさに今提唱しているトレーニング方法を、自ら生み出したというのだから恐れ入る。

アメリカの大学院留学を経て、日本の高校で英語教師になったときに、自宅学習用に自己流でカセットテープを作って配ったというのが、その後のラジオ講座につながっていく。自分で工夫して教材を作ると言うこと自体が、楽しくて仕方ないらしいこの人にとって、現職はまさに天職なんだろうなぁと言う感じ。

自分でも認める「テキストオタク」でもあるらしく、NHK講座のテキスト作りもすべて自分で行い、イレギュラーなことをやろうとしてずいぶんスタッフを悩ませた、とあった。実際、「徹底トレーニング英会話」のテキストは、毎日の放送の分だけではなくて、それ以外に自分でも練習できるような例文が後ろの方にも、そして各ページの横端にも書かれていて、ペラペラマンガのようにめくりながら練習できるようにもなっている。

これ、全部利用して自習すれば効果あるだろうなぁと思いつつ、結局追いつけていないのだけれど。でも、本気でやる気になったら、たくさんの教材に手を出すより、このテキストをいつも持ち歩いてしゃぶりつくせば、かなりお得に(テキスト1冊350円だもの)勉強できるはず。

実は、この講座、今年は去年放送分の再放送。テキスト買わなくていいからラッキーと思ったけど、やはり一度聞いたことのあるものを聞くというのは(ほとんど忘れてるところが多いんだけど)、モチベーションが下がり気味だった。

でも、このエッセイを読んだおかげで、「岩村センセイ、ごめんなさい。がんばってついていきます!」と新たな気持ちになれたのは、よかったかな。


読書録:「一度も植民地になったことのない日本」

一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)
(2007/07/20)
デュラン れい子

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タイトルだけ見ると、「だから日本人は中国や韓国の気持ちがわかないんだ!」とか、逆に日本人よ誇りを持て!みたいな、右だか左だかのこむずかしい問題を扱った本みたいだけど、実は全然そういう類の本じゃない。

スウェーデン人と結婚してオランダに暮らす日本人のオバサマが、ヨーロッパの地で、日々見聞きする小ネタを集めた本。話し口調なので読みやすいし。

著者も断っている通り、あくまで自分の周りで実際に見聞きしたこ、自分が感じたことを書いただけ、ということなので、特別な知識とか学術的な根拠とかのない話も多くて、「うーん、そんな風に決めつけるのはどう?」と思うような思い込みみたいなものもあった。

なので、「ヨーロッパ人が見た日本人」という結論を出すのにはちょっと無理がありそうだけど、でも、こんな風に見ている人も結構いるらしい、ぐらいに、軽く読む分にはなかなかおもしろい。

実はもう図書館に返却しちゃったので詳しい内容は覚えてないんだけど、こちらに書かれていたので、興味のある人はのぞいてみてくださいませ。

読書録:「趣味は読書。」

趣味は読書。 (ちくま文庫 さ 13-3)趣味は読書。 (ちくま文庫 さ 13-3)
(2007/04)
斎藤 美奈子

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前にも、同じ著者による誤読日記というのを読んだけれど(そのときの日記はこちら)、それと同様、みんなが知ってるベストセラーに突っ込みをいれまくる本。

読書録によると、「誤読日記」は175冊もとりあげていたが、こちらは41冊。この本自体が2003年の本なので、「当時」のベストセラーばかりだけど、ほとんどが読んだことがあるか、だいたいどんな本かは知っているような有名なものばかりだったので、それなりに面白く読めた。

どうやらこの人の持ち味は、「容赦なくこきおろす」ことにあるらしく、出版社からも読者からもそれを求められているのを百も承知で、言いたい放題という感じ。だからこそ面白いんだけど、著者にあったらどんな顔するのかしら、と心配になるほど(大きなお世話)。

それぞれの本に突っ込みをいれるだけでなく、ベストセラーの傾向をいくつかにまとめて分析しているのも、それなりに興味深い。

章の見出しだけ抜粋してみると、こんな感じ。

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1.読書の王道は現代の古老が語る「ありがたい人生」である
「大河の一滴」「日本語練習帳」「生き方上手」「老いてこそ人生」など

2.究極の癒し本は「寂しいお父さん」に効く物語だった
「鉄道員」「白い犬とワルツを」「銀座ママが教えるできる男とできない男の見分け方」など

3.タレントの告白本は「意外に売れない」という事実
「蜜の味」「プライベイトセックス」「みにくいあひるの子だった私」「楯」

4.見慣れた素材、古い素材もラベルを変えれば売れる
「買ってはいけない」「永遠の仔」「『捨てる!』技術」「冷製と情熱のあいだ」

5.大人の本は「中学生むけ」に作るとちょうどいい
「LOVE論」「iモード事件」「金持ち父さん貧乏父さん」「模倣犯」など

6.ものすごく売れる本はゆるい、明るい、衛生無害
「五体不満足」「だから、あなたも生き抜いて」「チーズはどこへ消えた?」「ハリーポッター」など

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ほとんどの本に、あえて?批判的で書いている中で、唯一ほめるトーンが強かったのが、「国民の歴史」という本。私は知らなかったんだけど、「新しい歴史教科書をつくる会」関連の本らしい。

というわけで、最初から突っ込む気満々で読んでみたら、意外に面白かった、というのが著者の弁。著者によると、この本は、いかにも「つくる会」に期待して読んだ人が期待していたような「結論」がないのだそうだ。「アンチテーゼの本であって結論を記した通史そのものではない」のだとか。だから、「私は不快にならずにすんだ」と。

ふーん、そういわれるとちょっと読んでみたいかも。

読書録:「知のソフトウェア」

「知」のソフトウェア (講談社現代新書 (722))「知」のソフトウェア (講談社現代新書 (722))
(1984/01)
立花 隆

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テレビでもおなじみの立花隆氏が書いた24年も前の本。
ジャーナリストとしての視点から、情報をいかに集め、整理し、活用して文章としていくかのノウハウを具体的に書いている。

パソコンなんてない時代の話なので、たとえば新聞のスクラップの整理の仕方など、今とはかなり事情が違う話も多いのだけれど、情報収集や整理の原理原則は不変なのかなと思わされる。

文章のつくりかたのところで印象に残ったのは、「よい文章を書けるようになるには、とにかくよい文章をたくさんインプットすること」というのと、「文章をよくするには、何度も何度も読み返して直すこと」「しっくり来ないと思うところは、思い切って全部削ってしまったほうがよい場合が多い」などなど。

特に、「書いた文章を読み直すと必ず不要な表現がある。それは書くスピードと読むスピードが違うからである」というところは、まさに目からうろこ。

私も普段から、自分の書いたものを読み返していて、「まわりくどいな」とか「もたもたしてるな」と感じて、表現をシンプルに書き直すことが多い。あまりにも同じような修正をいつもしているので、どうして最初からこういう風にシンプルに書けないんだろう?と不思議に思っていた。

そうか。スピードが違うからか。
読むときは、書くときより速いスピードで進むので、表現がまだらっこしく感じると。なるほど、なるほど。

などなど、思った以上に収穫の多かった本。

1カ所だけ耳が痛い(目が痛い?)買ったのは、「本は図書館で借りるなどけちくさいことをせず、買うべし」という教え。ここぞと思うところを自分で線を引いたりしながら読まないと頭に入らないぞ、というようなことが書かれていた。お説ごもっともで、実際この本も線を引きながら読みたい衝動にかられたけど、借りた本だからできない(笑)。おかげで、読み終わった今となっては、引用しようにもなかなか探せないし。

とはいえ、潤沢な取材費や原稿料をいただける大先生とは違って、読みたい本を全部買ってたら、お金も置き場所も追いつかない。こればかりは、はいそうですかと実践できないのが悲しいところ。

でも私の場合、返却期日がないとなかなか読まない=「積ん読」になってしまう可能性大(ハリポタがいい例)。ちょっと興味のある本でも気楽に手に取れるのは図書館の魅力だし。仕方ないですね。

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ビッケ

関東在住で松田聖子と同じ年。パソコン系のライターをしてます。メールはこちらからどうぞ。

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