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読書録:『外国語を学ぶための言語学の考え方』


前に何冊か本を読んだことがある、言語オタクとしか思えないスラブ語学者の本。

前書きによると、言語を料理に例えれば、語彙が食材、調理が文法。その二つに加えて料理をおいしくするスパイス、それが言語学であると。言語学的見方を知ることで、言語の「おいしさ」がより味わえるようになるという。

とはいうけれど。

ハッキリ言って、このスパイスはもう完全に趣味の領域という感じ。多くの言語に精通する著者の見識を活かして、いろいろな言語にある共通する点、違う点などを挙げながら、「言語学的な」見方をレクチャーしてくれるけれど、それを知ったところで、言語をしゃべれるようになったり、読み書きできるようになったりするのに、スグに役立つものではないのだ。残念ながら。

とはいえ。

単にへー、ほー、いろんな言葉があるのね、というオドロキながら読み流す分には、まあまあ面白かったと思う。けど、そういうことを「面白い」と思える人は、あまり多くはないんだろう。

たとえば。

日本語にはない、単数と複数の問題。英語に限らずヨーロッパの他の言語にはよくあるよねと思ったら、世の中には「両数」という概念がある言語もあるそうで。つまり、単数と複数を区別するだけじゃなくて、1つ、2つ、3つ以上と3種類に区別すると。さらに上には上があって、「三数」という概念、つまり、1つ、2つ、3つ、4つ以上と4種類に区別すると。

ひょえー、だよね。

めんどくさい!と思うけど、そういう分類をするには、それなりの文化系背景があるはずで……と考えると、なかなか面白いと思う。

まあ、要するに今はやりの「使うための」、コミュニケーションや情報収集の道具としての言語ではなく、あくまでウンチクとしてってことかな。

ついでに、この黒田さんという先生の、「どうせ私はオタクですよ」という達観した感じが、別にこの本の内容を理解できなくても、覚えなくても、全然問題ないのだわと思わせてくれてよいのかも。

Appendix


クリックで救える命がある。

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びっけ

関東在住で松田聖子と同じ年。フリーでライターをしてます。

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