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読書録:『潜入ルポ amazon帝国』


ユニクロ潜入一年』で話題になった(そのときの読書録はこちら)ルポライターが、今度はamazonに潜入して書いた本。著者は2005年にも『アマゾン・ドット・コムの光と影』という潜入ルポを書いているようで(未読)、15年ぶりに再び、ということらしい。

「潜入ルポ」そのものは、冒頭に描かれる小田原の物流センターで2週間バイトとして働いた経験のみで、ページ数にして50ページ程度(全部で約350ページ)。続いて社員への取材、宅配ドライバーの密着という物流現場からの告発を取り上げる。

日本ではamazonの潜入ルポは初めてということだけれど、海外ではすでにたくさんのジャーナリストが行っているということで、中盤はイギリス、ドイツ、フランスの3カ国を回り、そのジャーナリストやストを実施した労働者を取材している。

さらに日本へと話を戻し、マーケットプレイスやフェイクレビューを取り上げる。出品者や詐欺レビューワーにも取材。フェイクレビューの話は最近ちょっと気になっていたので興味深く読んだ。FBやLINEなどで「レビューワー募集」が行われ、その商品を買って(開封せず)五つ星のレビューを投稿し証拠を送ると購入金額が振り込まれるという。レビューワーはその商品をそのまま新品としてメルカリなどで売って儲けるという仕組みだ。amazonとしても怪しいレビューワーがレビューをかけないようにするなど、対応はしているらしいけれど、終始amazonへの取材は拒否されているので、実際これをどう捉えてどのような対処をしているかというamazonからの記述はない。

終盤は、amazonの稼ぎ頭と言われるクラウドシステムAWSや租税回避の話、そしてamazonが出版業界に与えた影響に触れて終わる。

物流センターの過酷な現場や、マーケットプレス出品者やその他さまざまなシステムでも、とにかくamazonが利益重視で、冷酷な企業であるということが強調されているのはユニクロのときと同じ。

これを読んで、わーamazonってそんなひどい企業なんだ~、もう買いたくない!と思う人もいるだろうけど(私も少しは思う)、ユニクロと同様、「利用者にとってお得で便利」を実現するためには、この手の犠牲が払われているのは、やっぱりそういうことなのか、とも思う。

そして、なんだかんだ言ってもユニクロもamazonもその働き手はいるわけで、ブラックな労働現場は他にもいっぱいあって、たとえブラックでもまだ「マシ」と思える要因があるということなのかもしれない。

一消費者としては、「お得で便利」の実態を知るという意味で、読む価値ありかなとも思う。






2019.11.13 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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