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読書録:「おひとりさまの老後」

おひとりさまの老後おひとりさまの老後
(2007/07)
上野 千鶴子

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女性問題では有名な上野千鶴子センセの書いたベストセラー。
私は「おひとりさま」じゃないけど、すごく売れているというので、親世代のこともあるし、と読んでみた。

平均寿命の差からいっても、最後は「女性のお一人様」が圧倒的多数になる、という前提で、「おひとりさま」で、周りをたよらずに、いかに元気に楽しく老後を過ごすかが書かれている。

この人の本を読むのは、たぶん初めてだけど、とにかく、やたら威勢がいい。人の世話なんかならないわっ!ひとりぐらしが寂しいなんて、決めつけないでっ!と。 ずっと「おひとりさま」を貫いてきた人は、さすがに強いなぁというのが、正直な実感。

私の世代と親の世代の中間に位置する人の書いた本なので、自分のことにも、親のことにも、実際に置き換えて考えるのはちょっと無理がある感じがあって、あまりリアリティは感じられなかった。

でも、伴侶をなくしたり離婚したりして「おひとりさまにおかえりなさい」になった人が読むと、元気が出るのかなぁ??

という感じで、中身はあまりピンとこないものが多かったんだけど、1カ所だけひっかかったところが。
「どう死ぬか」ということについて書かれた部分で、この人の主張は、「あなたの死」はしょせん「あなたの死」であって、「私の死」じゃない、と断言しているところがある。つまり、死ぬ人がどんな気持ちになるかは、本人じゃなくちゃわからない、ということが言いたいらしい。

コレを読んで思いだしたのが、柳田邦夫の書いた「犠牲〜サクリファイス」という本。古い友人なら、ずーーっと昔に、私がこの本を読んでとても感じるものがあった、ということを書いたのを覚えていてくれるかな?

この本は、息子を自殺で失った父親が、脳死判定をされ、臓器移植をするかどうかで悩む姿を描いたノンフィクションなんだけど、この中で、作者は「二人称の死」ということを書いていた。つまり、自分ではない、だけど他人じゃない、身内の死。その辛さは体験してみて初めてわかると。

上野千鶴子さんも、親を看取ってはいるらしいけど、親はしょせん先に行くのが普通だと思っているから、それなりに覚悟もあるし、受け止めざるをえないものもあるだろう。だから、柳田氏のいう「二人称の死」っていうのとは、ちょっと違うように思う。

夫も子もいない彼女は、その「二人称の死」を体験していないわけで、だから、あんな風に「アナタの死はあなたの死」なんて割り切れるのかなぁなんて。

こういうコトを書くと、配偶者や子どものいない人を差別しているようにとられるかもしれないけど、それが率直に感じたこと。本のテーマとは直接関係のない小さな部分なんだけど、妙にひっかかったので。

犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日 (文春文庫)犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日 (文春文庫)
(1999/06)
柳田 邦男

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2件のコメント

[C1104] YUcana

わかるわかる。

正直、配偶者はどうかなあと思いますが(爆)、子どもの死って自分が死ぬということ以上に受け入れにくい。死に限らず、不幸、と置き換えてもいい。古今東西子どもを人質に取られたら言うこと聞いちゃうってのは本当だなと思う。
子どもを大切に可愛く思うのは自己愛の延長とか言うけど、もっと理不尽で説明のつかない感情なんだよね。
配偶者や子どものいない人にはわからない、って書いても差別とは限りませんよ。こんな感情を知ってた方がいいのかどうか、知らない方がむしろ幸せなんじゃないかって思うこともあるから。何しろたぶん最大の弱味なわけだから。
と、小さな引っ掛かりの部分にだけ小さく反応してみました。

いつもながらたくさん本読んでてエライのだ…。
  • 2008-06-25
  • 投稿者 : 名乗りたくないの
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[C1106] YUcanaさんへ

脇道に反応してくれて、ありがとう。
今のYUcanaさんが書くと、なんか説得力あるわ。。うん、確かにそれがわかることは幸せとは限らないよね。。。最大の弱み、確かにそうかも。
  • 2008-06-25
  • 投稿者 : びっけ
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