読書録:『若者は本当に右傾化しているのか』


若者は本当に右傾化しているのか若者は本当に右傾化しているのか
(2014/03/16)
古谷 経衡

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まず、質問。「最近の若者は右傾化の傾向がある」と言われて、どう思う? そう思う?

私はどうだったんだろう。こんな本を読んでみようと思ったんだから、そう思ってたのかな。(例によって図書館にリクエスト出したのはずっと前なので覚えてない)

いずれにしろ、この本では、「巷では若者が右傾化していると思われている」という前提で、前半ではまずそれが事実ではないということを、いくつかの理由やデータを挙げて説明。次に、逆にではなぜ保守は若者の支持を得られないのかという話になる。そして最後に、若者によるこれからの新しい保守的考え方について提言をする。

実は、この本の著者自身が「右傾化している若者」なのだ。なんたって、あの田母神さんを支持してるってぐらいだから。でも、あくまで自分はマイナーであると。その「嘆き」がこの本を書かせたのかしらん。

若者が右傾化しているのは事実じゃないという理由の一つとして挙げられているのが、『永遠の0』のヒットについて。特攻隊員を主人公にしたこの映画がヒットしたことが右傾化の象徴のように言われるけれど、これはあくまで映画自体のクオリティの問題であると。

私も原作は読んだけど、この作品の主人公はあくまでも特攻隊の精神には反対していた。結果的にはそれで命を落とすことになるのだけれど、心を打つのは、むしろ生きて妻の元に帰ろうとしたことであり、最後に明かされるオチに象徴される夫婦愛の物語なんだと思う。映画は見てないけど、岡田君主演だもの、その方面が強調されていたのではと推測。

もうひとつの理由として、いわゆる「ネトウヨ」の実像は、30代40代が中心であり、決して「若者」ではないと。ネットを使う人=若者って、思い込みも甚だしいと。これも確かにそうかもね。

その上で、若者が右傾化しない=保守を支持しないことの理由は、現在の保守が貧困層に冷たいからだと主張する。歴史や靖国、国家論などにばかり関心をもち、若者たちの直面している貧困の問題を真剣に取り組もうとしない限り、支持を得られないのは当たり前だと。

なぜ、保守層が貧困に関心がないかというと、彼らが強者だからなのだそうだ。経済的に恵まれた中高年。ネトウヨにしたって、ネットを重視するのは経済的余裕がない人にはできないこと切り捨てる。

で、彼の提唱する「ソーシャル保守」というのは、自分は経済的に貧困でなくても、弱者の立場が理解できる非モテ層が、現代の貧困問題にも光を当てる存在になるんだそうだ。(この辺からちょっと主張がよく分からなくなるんだけど)

途中までは言っていることは分かるし、本自体わかりやすいのだけれど、説明がややくどいのと、最終的な結論の部分がついて行けなかったので、うーむという感じではある。

それにしてもこの本、やたらに文字がデカイ。ってことは、高齢者に読んで欲しくて書いた本なのか。つまりは、旧態依然の保守の人たちに警笛を鳴らしたい?

細かい事を言えば、文字が大きい分の影響なのか、上下左右の余白がすごく少なくて、息苦しいというか圧迫感のような物を感じるのも、よけいにくどく感じられた一因かもね。


2014.10.21 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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