読書録:『僕らはまだ、世界を1ミリも知らない』


僕らはまだ、世界を1ミリも知らない僕らはまだ、世界を1ミリも知らない
(2014/08/06)
太田英基

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大学生時代に起業し、5年後には会社をやめて、50カ国を2年かけて旅した経験を綴った旅行記。

そもそも、学生時代にインドを旅行し、インドについて知ったつもりでいたけれど、自分が知っていることなんてほんの一部でしかないと気がついたことから出かけた世界一周。それでもまだ、「1ミリも」知らないと言いたくなるほど世界は広い。でも、その気になればどこへでも行けるし、「僕らの時代は、世界を舞台にして生きていく時代」だと。(著者は現在29歳)

マチュピチュとかウユニ湖とか、いわゆる「絶景」もさることながら、スラムも訪れ、現地の人や、いろいろな国から来た旅行者、日本人などとの出逢いから得た経験は、読んでいてもなかなか興味をそそられる。

自分が絶対行くことがないだろうところでも、むしろ行くことはないだろうからこそ、ほー、へーと思いながら追体験させてもらった。

テイストとしては以前読んだちきりんさんの『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!』みたいな感じかな。ちきりんさんの場合、ちょっと上から目線的なところがアンチも作っちゃうけど、こちらの本は20代の若者の等身大な姿という印象で、失敗談やほろっとする話も交えつつ、気楽に読める本になってると思う。

特に印象に残ったのは、イスラエルで日本語を学ぶ大学生から受けた、「日本の国語のテスト問題にはなぜ、<筆者の気持ち>を答えさせるのか?」という質問の話。「アメリカやイスラエルでは、<自分の気持ち>を聞かれることはあっても、<筆者の気持ち>を聞かれることはない」と。

そこで彼(著者)はとっさに考え、「日本では、相手の気持ち、まわりの気持ちを考えて、迷惑をかけたり嫌な思いをさせないことが大事だから、幼少の頃から相手の気持ちをくみ取る訓練をするのだ」と答えたという。

なるほど。今まで考えたこともなかったけど、そういう面もあるのかな。「空気ばかり読んで主体性がない、自分の意見をはっきり言えない」というのは、日本人の弱点として指摘されることが多いけど、弱点は克服しつつも、協調性そのものは強みにもなるはずだから、そこは大事に、両者のバランスを保っていけたらよいのではないかと。

などなど、いろんな国、いろんな人を見ることで、自分や日本人、日本という国を見つめ直した経験は、すごく大きなものにつながるんだろうなと思う。

実はこの本を読む前に、同じ著者の『日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。』という本も読んだ。こちらは、同年代の若者たちに対して、世界っておもしろいよ、もう日本だけに留まってる時代じゃないよ、的なメッセージを綴った本。世界に出るための具体的なノウハウも書かれているので、そういう志を持つ若者には大いに刺激になるのでは。ながめてるだけのオバサンには、こちらの旅行記の方が面白かったけどね。

日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。日本がヤバイではなく、世界がオモシロイから僕らは動く。
(2013/04/24)
太田英基

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2015.02.07 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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