読書録:『マルタ島に魅せられて』


マルタ島に魅せられて―地中海の小さな国マルタ島に魅せられて―地中海の小さな国
(1997/08)
石川 和恵

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いうまでもなく、マルタ島旅行前の情報収集として読んだ本。

マルタって小さい国なので、関連本がすごく少ない。ガイドブックの類も地球の歩き方ぐらいしかない。それも南イタリア版のついでに何十ページかついてるだけ。

そんな数少ない中で選んだこの本、現地に2年間住んだ日本人女性の書いたエッセイみたいなものなんだけど、出版がなんと1997年。18年前。EUに加盟したのが2004年のことだから、今とはかなり事情が異なりそう。本の中でも、もしEUに加盟したらどうなるんだろう?みたいに書かれているし。

だから、おそらくこの本に書かれている「マルタらしさ」はずいぶん薄れてるのかもしれないし、物価が安いという事情もだいぶ違ってきているのかも。

それでも、まったく未知のエリアだったこの島の歴史や気候、概略みたいなものをなんとなく知るには役に立ったかなという感じ。

記憶整理のためにまとめておくと、マルタとはイタリアのつま先あたりにあるシチリア島のさらにその先にある石ころみたいな小さな島。(リビアは目の前だ) シチリアはイタリアの領土だけど、マルタはマルタ共和国という独立した国。

古来ローマやアラビア、スペインの支配を経たこの島が今も歴史に名を残すのは、ギリシアのロドス島を終われてきた聖ヨハネ騎士団がこの島を本拠地とし、1565年に攻め入ってきたオスマン帝国を撃破したことによる。島の中心観光地である世界遺産都市ヴァレッタというのは、このときの騎士団長の名前から来ているらしい。そして、島内には、今も「騎士団の~」という観光スポットがいくつもある。

と言われても、そもそも騎士団ってピンと来ないんだけどね。

このときに要塞都市となったこの島は、その後はオスマン帝国の襲撃を受けることもなく平和が保たれるのだけれど、その後100年ちょっとたった18世紀末、ナポレオンにあっという間に占領されてしまう。そのナポレオン軍を一掃したのがイギリスのネルソン提督で、以来マルタは1964年に独立するまで、イギリスの支配下に入る。

その影響で、マルタは今も公用語が英語(とはいえ、基本はマルタ語)で、道路は日本と同じ左側通行。ただ、食べ物がおいしくないという習慣?まで根付いてしまったようで、著者曰く、「もう少しフランス統治の時代が長ければ、パンも料理もおいしくなっていたかもしれないのに」と。

イギリス統治時代は基地として使われ、第二次大戦では自国領土だと主張するムッソリーニのイタリアや、北アフリカ進出を狙うヒトラーに目を付けられて猛爆を受けがれきの山と化したとのこと。今ある街並は、戦後復興されたものってことだ。

もう一つ印象に残ったのは、マルタ島の位置する地中海というのは、プランクトンが乏しい、いわば「やせた海」だという話。日本人の感覚からすると、島国だったら、さぞかしお魚が豊富でおいしいんだろうなと思うのだけれど、ここでは採れる種類も量も日本の比ではないそうだ。

そうえいば、日本の近海というのは、海流の関係で世界でも稀な豊富な漁場なのだという話を聞いたことがある。ニュージーランドに行ったとき、島国なのにスーパーに並んでる魚の乏しさにビックリしてしまったのも、そんな事情もあるのかもと思い至る。

一方、この本でも比較対象にされているノルウェーというのはやはり豊富な漁場らしい。そういえば、日本のスーパーでもノルウェー産の魚介ってよく見る気がする。サーモンとか。地中海産とかニュージーランド産とかは見たことない。

そうそう、水繋がりでいえば、この島には山も川もないんだそうだ。飲み水は海水を濾過して使っているそうだ。だから、水はとても貴重なんだって。

と、けっこういろいろ勉強になりました!

2015.04.29 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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