読書録:『資本主義の終焉と歴史の危機』



久々の読書録かな。たぶんどこかのコラムで見かけて気になって予約してあったんだと思われる本が回ってきたので。

ゼロ金利、ゼロインフレ、ゼロ成長。
まさに今のこの日本の現状は、資本主義の終焉をあらわしているというのが著者の主張。

その内容は。
そもそも資本主義というのは、「中央」が「周辺」から安く材料やエネルギーを買い集めて、それを売って利潤を得ることで成り立っているものであった。

しかし、グローバリゼーションが進み、新興国といわれる国々がどんどん発展してくると、次第に「周辺」はなくなってくる。エネルギーも材料も高くなる。そのしわ寄せとして、労働力を安く抑えて資本を蓄えようとする。

その結果、国や地域による格差がなくなってくる代わりに、一つの国の中での格差が拡大していく。特に労働者である中間層が没落していき、民主主義が破綻を来すと警笛を鳴らす。

まさに今、アメリカもヨーロッパも先進国は低金利合戦。ヨーロッパでもデフレの傾向らしい。インフレしない、値上がりしないのなら、ほしいものを今すぐに無理矢理買う必要はないから、モノは売れなくなる。なるほど。

ケインズもマックス・ウェーバーも名前しか分からない私日って、むずかしいことはよく分からない。分からないなりに世界のニュースを眺めていると、経済学者がいろんな理論を持ち出して何か言ってるけど、そもそも前の100年200年にそうだったといって、その理論が今、これからも成り立つと言えるのかな?というのは、漠然と疑問に感じてた。

なので、そもそももう資本主義を卒業するときなのであり、新しいシステムが必要なのだと説く筆者の主張は一理あるようにも思う。ちょっと前に取材で聞いた鈴木寛さんの講演会でも「卒近代」って話が出てきたし。

金融が国境を越えてしまった以上、国家がそれを制御することができなくなってしまった今の資本主義が、限界に近づいているというのもなんとなく説得力あるような。

国内の格差が問題になってるのは日本だけじゃない各国共通だし、いくら景気が良くなっても賃金が思うように上がらないアベノミクスの現状もしかり。日本にとって、中間層の没落傾向が最大の問題と書かれているのも読んだことがある。

かといって、「成長を求めるのはもうやめるべき」と言われても、前に進むことをサガとする人間がそんな選択ができるのか、じゃあその代わりに何を求めてどうしていけばいいのか。
肝心のその部分については、「私には分からない」と3箇所で繰り返し書かれている。うーむ。

具体的に、日本のアベノミクスは間違っていると主張されているんだけど、それについてもどうすべきかは一切書かれてない。これじゃ万年野党と同じだね。

問題提起するだけでも意味はあるのかもしれないけど、まだそのための選択肢すら挙げられない状況では、実際にそちらに進むなんてことはそう簡単には起きそうにないわけね。

ちなみにこの本は2014年1月に出版された本。大きな流れの話はともかく、まもなく中国バブルははじけて、そしたら日本はリーマンショック以上の衝撃を受けるはずと書かれているのが気になるところ。爆買のインバウンドで浮かれていると、しっぺ返しも大きそう。。

2015.08.04 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 日々のできごと



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