読書録:『イスラームから世界を見る』



日本人にとっては、なじみの薄いイスラム教。特に最近は「イスラム過激派」みたいなのがニュースになることも多くて、イスラム=コワイみたいなイメージももたれがち。

この本では、そんな「偏見」をぬぐうべく、イスラムとは元々どういう宗教で、イスラムの人はものをどのように考えていて、イスラムの人の立場から見た世界とはどんなものなのかを、まさにイスラムの視点から説明した本。

著者はイスラムの研究家らしいけれど、この本は一般の人向けにとても分かりやすく書かれている。

そもそものイスラムの教えや、それがどのように世界に広まっていったのか、歴史的な経緯にふれた上で、現代の国際情勢についても解説してくれてるので、とても勉強になったと思う。

大まかな感想としては、この前の『新しい世界史へ――地球市民のための構想 (岩波新書)』という本を読んだときにも書いたけど(読書録はこちら)、やはり私たちにインプットされているのは、西欧のキリスト教徒から見た価値観であって、それが世界共通の認識だと思っていては世界のいろいろな問題は解決できないのだなということ。

そもそも、近代国家として発展したことで世界の征服者となったヨーロッパ。最初は植民地として、そしてそれがなくなった後も価値観の上で。

つまり、私たちが「あたりまえ」と思っている近代国家としての概念が、イスラムの人にとっては必ずしもそうではない。アラブの春とかいって、イスラムの国々が「近代化」「民主化」することが、必ずしも正しい、歓迎すべきことなのかという、そもそもの疑問。

そういう視点で考えてみると、今起きているイスラム社会でのさまざまな問題は、そのエリアに民主主義とか国家とか、そういう西洋的な価値観を押しつけようとしていることが、解決どころかよけいに悪化させてしまっているのかもと、思わされる。

実際、イスラエルvsアラブの問題にしても、シリアの問題にしても、、みんな西洋諸国の利害が絡み合ってあれこれ手出し口出しすることで、よけいぐちゃぐちゃになって出口の見えない状態になってる気がするし。

人口比でいえば、いずれはキリスト教を抜いて世界一になるとも言われているイスラム教。将来的には世界の勢力図もかわってきたりするのかな。

2015.10.27 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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