読書録:『「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか?』



日本の製菓会社の海外進出についての現状をレポートした本。

カルビーや森永、グリコ、亀田製菓など日本の製菓メーカーが、過去どのように海外の市場に挑戦し、現在はどんなものがどこで人気で、そしてどんな展望を持っているのかを取材してまとめている。

テレビ番組でいうと「ガイアの夜明け」とか「未来世紀ジパング」とかみたいな内容(←この2つの番組好きでよくみてる)

だいたい共通しているのは、過去の海外進出は、日本の国内市場が勢いがあったせいもあり、「おまけ」的な位置付けでしかなく、現地の代理店まかせに甘んじている傾向があったということ。それが、日本市場の縮小傾向やグローバル化を背景に、昨今はより「攻め」の姿勢に転じているという。

そこでポイントとされるのが、唯一無二の独自性。たとえばポテトチップスみたいなものは今から後発のメーカーが割って入るのはむずかしい。ところが森永ハイチュウみたいなジャンルのものは目新しさがあるのでうけがいいらしい。

ただし、フレーバーとか味付けに関しては、各地それぞれ好みが違って、それは日本人には分からないので、現地の人の声を取り入れてそこにローカライズしたものをつくっているというのも、どこのメーカーも同じらしい。

あとは各社それぞれ、味や食感、パッケージ、売り方、販路、サプライチェーンなどなどに工夫を凝らしている様子が紹介されている。

製菓業界は国内でちんまりとやっていたところも多いので、海外戦略のために、他業種のメーカーで実績を持つ人材を取り入れて力を入れている所も多いとのこと。

中東などのイスラム圏ではお酒を飲まない代わりに甘いものが好まれるとか、健康ブームのアメリカではグルテンフリーという視点で米菓が注目されるとか、お国柄とお菓子の関係も興味深かった。

何より、出てくるメーカーや商品の名前がなじみの多いものばかりなので、「へー。あのお菓子がそんなところで」みたいな素朴なオドロキもあって、それもおもしろかった。

チョコレート好きな私、常々どこの空港で買うチョコよりも、日本のチョコの方がずっとオイシイと思っていた。この本の中でも、ゴディバなどの高級チョコは別としても、普通の値段でこのクオリティというのは他に類を見ないのではと書かれていた。

最近の「本当は日本はこんなにすごい!」ブームにはちょっと辟易だけど、日本のお菓子を世界中の人がオイシイといって食べてくれるのは、単純に嬉しい気がする。だって、エッフェル塔の前でフランス人がポッキー食べて「セボン!」とか言ってたら素敵じゃない?

「フツーに幸せ」な象徴ともいえお菓子での世界進出、ぜひともがんばってほしいな!


2015.11.16 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 読書録



コメント

限定

日本は期間限定、季節限定、地域限定の商法が素晴らしいです!

キットカットの抹茶味や甘王のいちご味なんて、フランスだけじゃなくて、世界中でブラボー!ですよ。

G20の手みやげになると思ってます。

2015/11/16 (月) 16:35:46 | URL | ミーナ #- [ 編集 ]

ミーナさんへ

そういえば、限定ものについてもこの本の中で言及がありました。他国ではあまりないものなのですね?

2015/11/16 (月) 18:29:58 | URL | びっけ #- [ 編集 ]

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