映画『黄金のアデーレ』

昨年の秋頃ロードショーしていた映画。
観たいと思っていたのに行けなくて、気がついたらロードショー終わって残念と思っていたら、ひょんなことから、観られた!

発端は先週スターウォーズを観に行ったときのこと。上映館内のポスターで、この映画もそこで上映中であることに気がついた。ところが、ラッキー、ぜひまた見に来ようと帰宅後、念のため調べてみると、な、なんと、徒歩圏にある地元の映画館でも翌週までやってることを見つけた!!

私の住んでいる市は、越してきたころには2つもあったシネコンが閉館し、数年前から「映画館のない街」になってしまっていた。それを嘆いた人たちがいたのか、2年ぐらい前にパルコの跡地に市が経営する新しいビルができたときに、名画座のような形で小さな映画館がオープンしていた。

ということは知ってたけど、上映しているのはちょっと前のマイナーな映画ばかりだし、ビミョー~と思って行ったことがなかったのだ。

まさか、そこでまさに見たかったのがやってるなんて。それをたまたま見つけるなんて!しかも、名画座のくせに毎月1日は1000円だという。ということで、3月1日の今日、行ってきたというわけ。

前置きが長くなったけど。やっと映画の話に入ります。

戦時中ナチスに略奪され、その後ウィーンの美術館に所蔵されていた1枚の絵を、当時の持ち主の姪に当たる女性が裁判の末に取り返すというお話。

その絵というのが、グスタフ・クリムトによる「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」。クリムトと言えばオーストリアの誇る国民的な画家。簡単には国外に持ち出せない。それを勝ち取るまでの闘いを通して、その女性がたどった運命が描かれる。

ユダヤ人だった彼女は、ナチスに追われて、親も故郷も捨てて逃げたという辛く悲しい過去を持つ。伯母の絵を取り戻すという闘いは、ナチスの侵略を許した祖国オーストリアへの怒りと悲しみでもある。

最近でも戦争で祖国を追われる難民の問題が話題になっているだけに、こういう不幸は今もなお繰り返されているんだなぁと考えさせられた。

そして、大統領予備選たけなわのアメリカという国も、こういういろいろな過去を持つ人たちを内包した国なんだなと思ってみたり。

一般の人が普通に芸術作品として観る絵の1枚1枚には、それぞれ知られざる物語があるんだなぁと思ってみたり。

なんて、むずかしいことはさておき。映画自体、ひきこまれるストーリーになっていて、心にしみるいい作品だったと思う。

そして、なんといってもつい半年前に、そのベルヴェデーレに行き、クリムトの作品を観てきたばかりなので、よけいに興味深く観られたんだと思う。

3年半前にウィーンに行く前は、「クリムトって名前は聞いたことあるか?」ぐらいの知識しかなかったけど、ウィーンに行くと、この国の偉大な画家として愛されいるということが分かった。音楽ならモーツァルト、美術ならクリムト、的な。

最初にウィーンに行った2012年はちょうどクリムトの生誕150周年で、美術史美術館という有名な美術館に描かれた壁画を、間近で観られるように足場が組まれていたりもした。(詳しくは、こちら)。

そして、去年行ったときは、前回行けなかったベルヴェデーレに行って、「接吻」も観て、その美しさに感動してきたばかり。(名画と呼ばれるものはいろいろ観たと思うけど、目の前で観て一番感動したのはこの絵だと思う)

美術館の中は撮影禁止だったので、全景の写真を引っ張り出してみる。
IMG_3441.jpg

この門のところも映画に出てきた。
IMG_3410.jpg

そんな個人的事情もあるので、何割増しかとは思うけれど。というか、映画観てたら、またウィーンに行きたくなった!

ところで、映画の冒頭で出てくる、絵のモデルとなった叔母さん役の女優さんが、まさにクリムトの絵に出てくる女性という顔でビックリ。見比べると、彼女を描いた肖像画とはそれほど似てるわけじゃないのに、そう感じるのは、他の絵に出てくる女性にも共通したテイストを再現したのが、まさにその女優さんだったような。(メイクの仕方もあるかなとは思う)

そして。地元の名画座、なかなかいいので、また行こうと思う!




2016.03.01 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画など



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