読書録:『語られざる中国の結末』



外務省出身で中国大使館の公使も務めたことのある著者が、中国の現状、狙い、そして行く末の推測をまとめた本。

著者も前書きで書いているように、巷にあふれる中国関連本は「ナショナリスティックな右からの中国脅威論・警戒論」か、「対米追随批判に満ちた左からの中国礼賛論」、もしくは、「インサイダー的なキワモノ内省論」の類ばかりで「客観的批判に堪える知的な中国論は意外に少ない」というのは、まさにその通りで、なんとなく極端なものが多いような気がする。

そんな中でこの本は、地政学的、歴史的な要素を冷静に分析しながら、中国という国がどういう考え方をし、何を恐れ、何を目指しているのかということを、冷静に解説していく。

文章の組み立てが分かりやすくできていることもあって、論旨は明瞭で分かりやすい。

未来予測や日本のとるべき道への意見については、どう評価していいのか分からないけれど、なんとなくいろんなことの基本が「分かったような」気にはなった。

印象的だったのは、すでにサイバー戦争というのは始まっていて、今後それはすごく大きなウエートを占めるようになるだろうという話。冒頭に引用された巧妙なスパムメールの実例のインパクトもあって、これは本当にコワイと思った。

いまどきは、下手に爆弾なんか落とすよりも、サイバー攻撃で中枢を操る方がはるかにダメージは大きいだろうし、誰が攻撃してきたかも分かりにくく、反撃もできない分、とても「効率のいい」攻撃法なのかもしれない。

世の中がどんんどんネットやコンピュータシステムに依存する度会いを深めている中、核爆弾なんかよりもよほど現実的かつ合理的なのは想像できるし。

攻める方も、守る方も、水面下ではいろんなことが進んでいるんだろうなー。

というようなことを考えた。本書の趣旨とはちょっとずれるかもしれないけれど。

世界情勢に興味のある人は、ご一読を。

2016.03.14 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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