読書録:『生き心地の良い町』


ちょっと前に読んだのに、書いておくの忘れてた。
もう返しちゃったのでよく覚えてないけど、忘れてもう1回借りちゃうといけないので、書いておかないと!

今自分の書いている単行本が、「地域のみんなが幸せ」を目的にしたNPO活動のことなので、興味を持って読んでみた本。

住民コミュニティと自殺率の関係について興味を持った著者が、日本一自殺率が低いという徳島県のある村を調査して研究論文をまとめたときの経験を綴っている。

住民にアンケート調査や聞き取り調査を重ねた結果たどり着いたのは、やはりこの村のコミュニティには、自殺を予防する因子に結びつく「住民気質」があったという結論。

自殺を予防するというと、地域の結びつきが濃いところというイメージだけれど(都会の真逆的な)、この村は、むしろ地方の小さな村でありながら、それほど濃い結びつきはないのがいいらしい。無関心ではないけれど、必要以上に踏み込まない、ゆるゆるとした付き合い方。

身内意識があまり強くなくて、外からの援助に対する抵抗が少ないのも特徴。とかく「閉じた」ムラ社会では、みっともないことはよそ様に見せたくないという心理がありがちだけど、ここでは「病、市(いち)に出せ」という言い伝えがあるように、それを恥だと思うカルチャーが少ないそうだ。

いろんな人がいていい、という多様性を肯定する価値観、そして、「野暮なことはしない」という共通認識。などなど。

詳しいことは覚えてないんだけど、そんな感じかな。

そして、ここの人たちが長年そういう気質を持つようになった、地理的、地形的な原因なども考察されている。

著者は、このテーマについて論文をまとめているので、本の中でも調査結果のデータが数字で出てくるなど客観的な視点を基本にして、そこから感じた著者の分析が加わっていくというトーンで、いわゆる「こういう社会が理想、パラダイス!」みたいな軽々しいノリではない。かといって、むずかしい本でもなく、住民との会話なども交えて著者のつぶやきのような形で書かれているので、読み物としても読みやすい。

昔からの「先人の知恵」に、いかにも現代的なテーマで迫るっていうのが、新鮮に感じられる内容だったと思う。

名前でググったら、研究の一部を報告しているものを発見。
日本の自殺希少地域における自殺予防因子の研究

インタビュー記事もあった。コレを読むと本の内容が分かるかも。
固定化された夢よりも今このときの心地よさを感じてみる




2016.04.21 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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