読書録:『これを読むまで英語はあきらめないでください!』


英会話教室を経営する著者が、長年の経験に基づいて「日本人が英語をマスターするための」ポイントや勉強法、よくある文法的な疑問への解決などを伝授する本。

サブタイトルになっている「バイリンガルだから見える」「使える英語の最短ルート勉強法」というのも、なかなか的を射ているセールス文句だと思う。

カタカナ名前なのでてっきり来日した外国人かと思っていて、日本語うまいなぁ、自分で全部書いたの?と思ってたら、実はバイリンガルだと後から知って納得。いくつかの表現方法の違いについて書いたところなどは、まさに日本語のニュアンスを熟知している人ならではの説明という感じ。

「最短ルート」というのは、いわゆる日本人のありがちな勉強の仕方を批判しつつ、本当に自分が使いたい英語をマスターするためには、という考え方も説得力がある。

そして、この本で強調されているのは、「話すべきネタを持て」ということ。何かを聞かれたときに答えられない、会話が続かないのは、単語や文法を知らないというだけではなくて、自分の中に「話すべきこと」が準備されていないから。だから、そういう場面を想定して自分のことを話せるように、まずは文章を書いてみるところから始まって、それを音読して、スラスラ言えるようにしておく。そういう「自分の持ちネタ」となるトピックをいくつか用意しておくといい、というのは、使えそうな感じ。

ちょっと発想として似てるなと思ったのは、NHKラジオの語学講座「英語タイムトライアル」のスティーブ・ソレイシィ先生。彼はバイリンガルじゃないけど、日本語のニュアンスをよく知っていて、「日本語でこう言いたいときは」とうようなアドバイスが分かりやすい。

この番組では、先生に質問されたことに対して、自分なりにその場で答えを考えて話すという練習をする。このとき、Yes, Noで答えるだけじゃなくて、「必ず一文、二文付け足して」と言われる。その度に、いきなりそんなこと言われても、そもそも日本語でなんて言ったらいいか思いつかないよ~と思うのだけれど、この本のようなトレーニングをしていれば、そういう力も付いてくるのかも。

たぶん、そういう「レパートリー」を持っておくことで、まるで同じ話じゃなくても、いろいろ応用してその場で口から文章を作るっていうことができてくるのかもしれない。これを、番組のスティーブ先生は、SPRトレーニングと呼ぶ。SPRとはShunPatsuRyoku=瞬・発・力だそうな!

この本、Amazonのレビューは見事に評価がばらけている。口調がちょっと特徴があるので、相性的に受け付けない人もいるかもしれないけど、私はおもしろいし、役に立つと思った。自分の英会話教室の「宣伝ではなく、勧誘のためにこの本を書いてます!」なんて開き直るように宣言してるくせに、実は本の中には具体的な教室の紹介は一切出てこないのも感じがいい。奥付のプロフィールをみれば学校の名前ぐらいは分かるのだけれど。(それでも十分「宣伝」にはなるよね)




2016.06.02 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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