読書録:『家族という病』

家族という病 (幻冬舎新書)


随分前に図書館に予約を入れていたベストセラー。実家の両親についてアレコレ思うところが多い今日この頃、まさにグッドタイミング?で回ってきた。

著者は、終戦のときに小学生というから、うちの母より10歳ぐらい若いのかな。70代後半?元NHKのアナウンサーで、物書きとして活動してきた人らしい。

自らの父、母、兄に対して、心理的な確執があり、わかり合えないまま死に別れたという著者。家族に対してのわだかまりを吐露する冒頭の部分に共感して読み始めたものの、途中から何となく違和感が強くなっていった。

「家族のことしか話題のない人はつまらない」「子離れが出来ない親は見苦しい」とか、仲良し家族を全否定。一つひとつの言い分は分からなくもないけれど、著者の人生と重ね合わせて読むと、結局、自分自身が家族としてのぬくもり、温かさを得られなかったことの裏返しのようで、哀れでもある。

著者は結婚はしたけれど、子供は持たないという選択をしたし、親の介護も経験してない。職業柄見てきたいろいろな人のケースを挙げながら、個人的な意見を言っているのだけれど、それについては「子育ても介護もしてない人が家族のことを偉そうに語るな」という声も、一理あるように思える。

改めていろいろレビューを読んでみると、自分自身も家族に対してのなんらかの葛藤を抱えていて、その解決策が見つかるかも……と期待して読んだけれども、それは裏切られただけではく、著者のヒステリックな愚痴を一方的に聞かされただけという感じで、読まなければよかったという声が多数。

確かに読後感はよろしくないのだけれど、今の私にしてみれば、ある意味反面教師のような意味はあったかなと思う。

最近、親のことでいろいろここで愚痴っていると、いろいろな人が「うちも」「私も」という話をしてくれる。おかげで、年寄りなんて、親子なんて、みんなそんなものかなと思って安心する。

親もここまで年取っちゃうと、どんなに腹が立っても、もはや対等なバトルにもならず、すべてあきらめるしかない。でも、ここを「ちゃんと」乗り越えないと、それは私自身のその後の時間に影響してくるのだろうなと思う。親がいなくなったときに、「あのときにああしていれば」と、やったこと、やらなかったことを後悔するのは辛そうだから。

著者のように、いつまでたっても歪んだ心を持って生きるのは嫌だ! あんな風にはなりたくないから、ちゃんと向かい合っておこう!

と思えたのが、教訓(笑)。



2016.07.04 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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