読書録:『鳥居りんこの親の介護は知らなきゃバカ見ることだらけ』


内容は、タイトルそのまんま(笑)。
鳥居りんこさんというこの著者は、中学受験に関する本がベストセラーになり、以来教育・子育ての分野で活動しているカウンセラー、エッセイストらしい。受験に無縁な私は知らなかったけれど。

この本は、そんな彼女が体験した(現在も進行中)の母の介護の体験をユーモラスに綴りながら、いわゆる介護サービスやら老人ホームやらを利用するにはどうしたらいいか?という話を書いたもの。

とにかく、リアル。著者は1962年生まれのフリーランサーという点で私とかぶるせいもあるかもしれない。母親の年齢はうちの母より4歳ほど若いけど、まあ同世代。76歳で夫(著者の父親)を肺がんで亡くした後、どんどんといろいろなことができなくなっていく母を、姉と共に面倒をみていくことになる。

当初は、近所に住む姉が中心で、彼女はサポーター的なポジションだったが、その後彼女の家の近くの有料老人ホームに入ってからは、彼女がキーパーソンとなっているらしい。この本自体はその老人ホームに入ったところで終わるのだけれど。

本に書かれている半分は、「毒母」に寄り添うことへの悲痛な叫び。女王様のごとく娘たちにあれこれ命令し、わがまま放題。

ユーモラスに書いているので、母親へのかなりの「毒づき発言」(心の声)も嫌な感じはなく、「分かる、分かる」という感じ。一日がかりで病院に付き添うことは、肉体的にもしんどいけれど、一番キツイのは、一日中延々と愚痴を聞かされることっていう下りなんかは、もうまったく同感。ああ、どこも同じなのねと納得したり、いやうちの母はここまでひどくないかと思わされたり。まして実際に介護をした事のある人なら、「よくぞ言ってくれました!」的な爽快感があるのでは。

著者の友人にもこの手の話は多く、こういう老母ってきまって「自分は介護体験のない人」なのだと。ああ、まさにうちの母もそうだわ。。。。

ただ、(心の中で)悪態をつきながらも、できる限りのことは一生懸命やってることも、なんとかお母さんのためを思って動いてあげてることも伝わってきて、身につまされる。

本の中には、施設の種類や申請の仕方などを表にまとめたり、情報として役に立つようなつくりにもなっている。実際にどのぐらいのお金がかかるのか、とか。タイトルにもなっているように、とにかく介護に関わるサービスは自分から情報を集めて、自分から動かないとダメだってことはよく分かった。あと、ケアマネさん選びが大事ってことも。

ところで、彼女は3人きょうだいで姉の他にも兄がいるのだが、この兄がまったく他人事でお任せ状態。母親本人は息子がカワイイから、たまに来て「言葉だけ」かけて帰って行く息子を、「優しいのは、あの子だけ」と溺愛。っていうのも、ありそうな話。その点、私は男兄弟いなくて平和かも。(本になったものを、兄本人は読んで何か思うところがあるのかな?)

個人的には、子供の受験も親の介護も、しっかり本にして仕事にむすびつけちゃうっていうところがアッパレだと思う(笑)。一過性の出来事で終わる受験と違って、介護はいつまで続くか分からない。その分メンタルもキツイわけだけど、こうやって本にすることで彼女自身も気持ちに整理や覚悟がつく部分もあるだろうし、本の出版を機会に生まれるいろんなつながりが、何かしらよい方向に結びつくことを願って。

この本と出会うきっかけになった朝日新聞のサイトのインタビュー記事はこちら。無料登録すれば、全部読めます。

2016.10.14 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 日々のできごと



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