読書録:『ラオスにいったい何があるというのですか』


村上春樹が、アメリカやアイスランド、ラオス、フィンランドなどを旅したときの様子を綴った紀行文集。ほとんどはAGORAというJALの上級会員用の月刊誌に連載されたもの。

挑発的なタイトルだけど、それを深く語ろうというわけではなくて、単にラオスに行く途中にベトナムで乗り換えるときに、言われた言葉をそのまま使っているだけ。実際にラオスを旅した著者は「明確な答えは持たない」とな。音とか匂いとか、そこで感じた「心の震え」は思い出せるけれど、それが何の役に立つのかも分からないと。でもそれが「旅というもの」であり「人生というもの」なのだそうだ。

なんてところだけ取り上げると、いかにもムラカミハルキな気取った印象になってしまうけれど、全体的にはそれほど鼻につく感じはない。前に、彼の本は小説よりもエッセイの方がよほど面白いという話を聞いて読んだ『遠い太鼓』『雨天炎天』という昔の旅エッセイと同じく、「すごく面白い!」とか「旅に出たくなる!」ということはないけど、ゆるゆるとなんとなくつきあえちゃう感じ。少なくとも、彼の小説を読んだときに感じる、「勝手にして~」的な拒否感はなくて、普通に面白いと思う。(なんて偉そうに書くと、ハルキストに怒られそうだ)。

ちなみに、ハルキさん。「旅先で何もかもがうまく行ったら、それは旅行じゃない」というのが「哲学」だそうだ。今度から旅先で何かアクシデントに見舞われたらその言葉を思い出して、「かのムラカミハルキもそう言ってたし!」って思って落ち着くことにしよう。

2016.11.23 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

カレンダー(月別)

04 ≪│2017/05│≫ 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: