読書録:『稲盛和夫 最後の闘い―JAL再生にかけた経営者人生 』


先日、仕事でJALの大西会長の講演を聴いたので、その参考に読んだ本。

2010年1月、会社更生法の適用を申請して破綻したJAL。その再建のために、政府その他の熱烈なオファーを受けて会長に就任したのが稲盛和夫氏(社長は現会長の大西氏)。この本は、稲森氏が、どんな思いでその任に付き、どんな困難と立ち向かいながらJAL再生を成し遂げたかを綴った本。(この本の著者の大西さんというのは、前述の大西前社長とはまったく別人で、日経新聞の編集員。つまり外部のジャーナリスト。)

日頃飛行機を利用することの多い私なので、JALの事件は関心を持ってみていたので、その内情を知ることは、原稿の参考というのは別にしても、興味深い話だった。

稲盛氏がJAL再生の要請を受けたのは78歳。年齢への不安に加え、航空業界の知識は何もない。まわりからは「晩節を汚す」と反対もされ、何度も断ったというのはよく知られる話。それを結局引き受けた要因はいろいろあるけれど、最後は「JAL再生には大義がある」との思い。その「大義」をはたすため、「報酬は受け取らない」という条件で引き受けたという。

大西現会長の講演でも聴いたけれど、稲盛さんの功績は、直接経営をどうするかということだけでなく、JALの社員一人ひとりの意識改革だった。「企業理念」「JALフィロソフィ」として掲げられた精神論は、まるで小学生の道徳の本に出てくるような基本的なことばかり。それを高学歴なエリートぞろいのJAL社員に浸透させるは、かなり苦労したらしい。それでも、結果的には意識改革に成功したことで、2012年9月に再上場するなど、アッと驚くスピード再生を果たした。

稲盛氏にしてみれば、あれだけ腐ったJALを再生させることで、日本再生の成功モデルを示したい、とう思いがあったという。ただ、実際はあまりにも早く再生を遂げたことで「JALはずるい」という批判をたくさん受けて、その想いが十分に伝わらなかったことが残念だと述べている。

というのが本に書かれている内容。

よく知られていることではあるけれど、稲盛氏なくしてJAL再生はなかったのだということが実感できる。

利用者の立場で見ると、最近のJALは、エコノミーシートでも座席の若干広くしたり、マイルの使い方に細かい改定をするなど、ANAにはないサービス向上もがんばってる感じがある。それに触発されて、ANAの方のサービスも向上してくれればと期待したいところだけどね!









2016.12.06 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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