読書録:『使用人たちが見たホワイトハウス 』


ホワイトハウスの「住人」である、大統領一家ファーストファミリーのお世話をする人たちにスポットを当てたドキュメンタリー。

元ホワイトハウス担当だったジャーナリストが、ホワイトハウスで執事やメイド、シェフ、ドアマンなどとして働いた人たちにインタビューしたものをまとめている。

いろいろな大統領時代の話が脈絡なく入れ替わり立ち替わり出てきたり、個人名がなかなか覚えられなかったり、そして翻訳もの故の読みにくさがあったりで、読み物としては雑然とした印象なのだけれど、歴史上のいろいろな大統領の素顔や、生活の場としてのホワイトハウスでの「暮らし」が垣間見えたのは、興味深かった。

彼らは、共和党・民主党に関係なく、誰が大統領になろうとも、同じメンバーが替わらずにお世話にあたる。中には何人もの大統領に仕えた人も多数いるようだ。それ故に、大統領ごとの性格や使用人たちへの接し方の違いなども語られている。

特に、ケネディ暗殺、ニクソン辞任など、突然の政権交代は当事者たちにとっては突然の引っ越しを強いられるものでもあり、追い出されるようにホワイトハウスを後にする悲哀。さらに、「不適切名関係」のモニカ事件のときの、ヒラリーの苦悩の日々。それらを間近で見た人からの証言からは、政治の表側から語られるものとは違う側面が見えてくる。

911のときに、ホワイトハウスにも避難指示のようなものが出て(次に狙われるのはホワイトハウスだということで)逃げ惑うシーンもある。実際、ホワイトハウスからはペンタゴンに落ちた飛行機の煙も見えたそうで、そこにいる人たちにとっては生きた心地がしなかっただろう。

この本によると、「使用人」たちはみなプライドを持って働いているので、暴露的な内容は出てこない。過去の大統領ファミリーに対して批判めいた声も多少はあるものの、基本的に好意的な声ばかりなので、第三者からみると「きれいごと」に見えなくもないけれど。

ほとんどの大統領が、就任後ほとんど初めて足を踏み入れるのに対し、息子のブッシュが大統領になったとき、父が在任中に何度も来ていたから「勝手知ったるわが家」だったという話があった。父の時代には住んでいたわけではない息子でもそうなのだから、ファーストレディとして住んでいたヒラリーが入居することになれば、もっと「戻ってきた」感が強かったんだろうに。

トランプはホワイトハウスに住まないかも?なんて噂も耳にしたけれど、使用人たちは、かつてないタイプの大統領の入居を前に、今頃戦々恐々としてるのかもね。

2017.01.07 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

カレンダー(月別)

08 ≪│2017/09│≫ 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: