読書録:『子の無い人生』


2003年に『負け犬の遠吠え』で「未婚、子ナシ、30代以上」を自虐的に「負け犬」と定義し、一世を風靡?した酒井順子サン。あれから10年以上がたち、40代になってわかったのは、「女性の人生の方向性には、<結婚しているか、いないか>よりも、<子供がいるか、いないか>という要因の方が深くかかわる」というこうとだったそうな。

というわけで、結婚してるしてないに関わらず、「子供を産まなかった女性」という視点から、どんな葛藤を抱えて生きるか、世間でどう思われるか、果ては自分の老後や死の始末はどうするかといった切実な問題が切々と、しかし淡々と綴られる。

著者の他の作品同様、すべてがリアルで的確な指摘ばかり。私は「子持ち」の方の人生だけど、そうじゃなかったらそうだろうなと思うイロイロが次から次へと出てくる。

「子の無い人生」がいいとか悪いとか言ってるのではなく、著者自身も自分の人生を悔やんでいるわけじゃない。だからどうだとか、どうするべきとか、そういう話でもない。でも、著者も指摘しているとおり、今後、「子ナシの老女」(女性に限らないが)が増えていくことは確実なわけで、それが社会問題と化してくるのは時間の問題という話は切実だ。

うちの両親だって、若い頃は「子供たちの世話にはならない」と常々言っていた。88歳まで夫婦で自立して生きてきただけでも偉いとは思うけど、でもやっぱり最後の最後は「世話にはならない」わけにはいかないという事実と向き合う日々。

若くてしっかりしているうちに、すべてを引き受けてくれる体制をお金で作っておかない限り、身内に世話をかけずに死ぬということはできないのだ、人間は。ということを、本当にそういう段階にならないと理解するのはむずかしい。前もって分かったとしても、だからといってじゃあ、結婚します、子供産みますとなるわけじゃないし、本人がそう思ってもどうにかなるものでもないし、と考えると、やっぱり子供がいてもいなくても安心して老いて死んでいける社会をつくらないとダメなのかもね。



2017.01.12 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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