認知症テストを受けさせるまでのいきさつ

昨日は長くなっちゃうので細かいところは割愛したけど、記録と、もしかしたら同じように、診断を受けさせたいけどどうやって連れていったらいいものやら、、と悩んでいる人が見るかもしれないので、いきさつを書いておきます。


●父の状態
母曰く、1年程前からちょっとおかしくなったという。私が気づいたのは半年前に母が入院した頃。今聞いたばかりの話を5分間隔で何度も聞くので「あれ?」と思ったのが始まりだったかな。その後母の入院でどんどん症状は悪化し、まとまった話ができなくなる。「あれが、その」とかばかりで話の要領を得ない。会話がかみ合わない。こっちの言うことも分かった顔してるけど、たぶん分かってない感じ。母がガンで入院していることもよく理解できていない風。母の退院後は少し落ち着いたものの、数字のケタが分からない、物をどこにしまったか忘れるなどなど。本人は「忘れっぽくなっている」という自覚はあるものの、それは「年齢相応のボケ」と言い張っていている。(そしてかつては「認知症だけにはなりたくない」と口癖のように言っていたそうな)ちなみに、食事、排泄、入浴、着替えなどはひとりでできるし、近所の散歩ぐらいなら一人で行ってちゃんと帰ってこられるが、初めて行くところは多分無理)。

●あらかじめかかりつけ医に電話
父(88歳)にはもう30年近く通っている近所の内科があるので、まずはそこに電話をし、事情を説明。介護保険の申請をするので主治医の欄に名前を書かせてもらうこと(市から「意見書」の提出依頼が直接主治医の所へ行く)、認知症の疑いがあるので「それとなく」検査してほしいことを伝えておいた。その医院は予約も受け付けているので、日時も予約しておいた。

●父本人には前日夜に話す
前もって話してもどうせ忘れちゃうし、あれこれ面倒臭いので、母にだけ話して口止めしておいた。前日実家に泊まり、夕飯のときに「明日、いっしょに病院に行こう」と父を誘う。そもそも毎月通っていて、そろそろ行く頃だというのは分かっていたので。

「わざわざいっしょに来てもらうことはない」「心配はいらない」などなど固辞されたものの、ニコニコしていて怒る風ではないので、「お父さんは自分のことは自分で分かってるからいいかもしれないけど(本当は分かってないんだけど)、私はお父さんの健康状態を何も知らないから、それでは困る。お母さんの病院には最近いつも付いていって分かるけど、お父さんは何も話してくれないから分からないじゃないの」と。

それでもグズグズ言うので、「じゃあ、今何の薬飲んでるか説明して」というと、もちろんできない。「そうやってちゃんと教えてくれないなら、(あくまで「分からないなら」とは言わないところがミソ)、私が直接先生に聞くしかないでしょ」と迫ると、渋々納得。日時も予約してあるというと、几帳面な父は観念した様子。

●先生のナイスプレー
前日夜から当日行くまで、「2時だったな」「それでお前も一緒に行くのか」「どういう段取りになってるんだ」など、何回もしつこく尋ねる父。なんとなくそわそわしてるけど、娘が心配してくれているということ自体はまんざらイヤでもなさそう。

私と二人だけで話しをした後、父を呼び入れた先生、「その後変わりないですか?」「お通じは」「食欲は」などという流れで「今日のお昼はもう召し上がりました?」「何を召し上がりました?」と斬り込む。もちろん(!)答えられない父は「いや、普通のものです」とごまかす。「昨日の晩は何を?」もちろんそんなもの答えられない父は「ああ、そのー、普通の、いわゆるー、家庭料理です」「お肉?お魚?」「私は元々魚が好きなので、なるべく魚を食べるようにしています」と一般論で逃げる父。(本人は単に栄養的な観点で聞かれてると思ってる風)

すると先生「年取ってくると昨日のことなんてなかなか思い出せなくなりますよね」「そうなんです(笑)」と和ませたところで、「そういうのも早めに対応できる方法があるので、一度検査してみた方がいいかもしれませんね。簡単にできる検査がありますけどやってみます?」と水を向けると、「はい、お願いします」と素直に従う父。私はココロの中でガッツポーズ!先生、グッジョブだわ!

●薬の処方もごく自然に
「検査の準備をしますからお待ち下さい」と言われてから呼ばれるまで30分ぐらい待たされたので、その間父の気が変わらないかドキドキ。でも案外、おとなしく待っている父。

検査には立ち会えなかったけど、聞こえてきた限りでは「紛らわしいから分かんなくなっちゃいますよね(笑)」なんて、上手に和ませてくれている風。部屋から出てきた父に「検査どうだった?」と聞くと、「いや、なに、その、あれだ」とか例によってわけわからない返答。その後ポツリと「思いもしないことをうんぬん」とは言ってたから、その手の検査だと気づいたのか気づかないのか。

そこからまた先生に呼ばれるまで30分ぐらい経過。「まだですか」と自分で聞きに行くなどイライラしている父。疲れてきたのと、検査がうまく答えられなくて不機嫌なのもあるのかな。

やっと呼ばれて入室すると、検査の結果に関してはあまり触れず、「便秘の薬はいつものでいいですか?」などと流しつつ、「物忘れの薬も追加しておいていいですかね?」と父に確認。「はい、お願いします」とおそらく意味はあまり分かってないだろうけど、素直に返事する。(基本、先生の前では優等生でいたい風)。父の手前ハッキリとは聞けないので、カルテ画面をのぞきこむと、テストの結果11点と赤字で書いてある。で、先生に「これがさっきのテストの結果ですね?」と確認すると、「はい、11点でした」と顔をしかめる(残念ながらやっぱりそうでしたね、という感じ)

処方されたアリセプトという薬は、一応副作用などを見極めるため、初回は少し容量を減らしたものを2週間服用して様子をみるらしい。2週間後には「本人じゃなくて家族の方でもいいですよ」と言われたけど、考えたら認知症の薬が効いてるかどうか、本人に聞いてもわかんないもんね。

そんなこんなで、特にあばれるでもなく、怒りだすでもなく、意外なほどスムーズに終わった父の認知症診断。専門医ではないので、アルツハイマーなのかレビーなんとかなのかとか、そういう細かいことは分からないけれど、しょせんそれが分かったところで余り意味はない。むしろ、いつも行ってる、本人も信頼している先生にそちらの薬もいっしょに出してもらえるのは、ありがたいと思う。

認知症の検査を受けて、認知症の薬を処方されたということを、本人は分かってないだろう。人間、信じたくないことは信じないから、少なくとも「認知症とは違う」って信じてるに違いない。あくまで「年相応の物忘れ」の検査と薬だと思い込んでいるか、それ自体も分かってない可能性も大きいかな。(と思ったけど、今日になって母が言うには、「はい、認知症の薬」って渡したら(!)、おとなしく飲んでたらしい。さすがの鬼嫁だ)

今のところは、迷惑行動があるわけでもなく、自分のことは自分でできる。怒りっぽくなる人もいるらしいけど、父の場合、むしろいろいろ分からなくなった分、おおらかというか丸くなって、ある意味平和。この平穏な毎日が一日でも長く続きますように。

2017.01.30 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 介護



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