となりのイスラム


イスラム地域研究の専門家が書いた本で、平たく言うと、ISとか出てきて「恐ろしい」イメージがあるイスラム教の人たちだけど、実は全然そんなことないんですよー、こんな風になっちゃったのは、むしろ西欧の人たちのせいですよーという感じ。

前にも似たような本読んだことあるなぁと思って過去ログを探したら、同じ人の本だった(笑)。(そのときの読書録はこちら


イスラム教とはどんな宗教で、ムスリムはどういう人たちで、どんな歴史がなって……みたいな解説は、前に読んだ本と同じなんだけど、今回読んだ本は、世の中のムスリムへの偏見に怒ってる感が強くて(特に後半)、ムスリム擁護に偏りすぎている感じもなきにしもあらず。

主張は分かるけど、擁護に必死になるあまり、イスラムの悪い面の描写が少なくて、極端な話、西欧社会の側だけが悪者みたいな主張はどうなんだろうか。

それと、著者の語るイスラム教徒はほとんど中東の世界のことが念頭にあるようだけど、現実にはインドネシアとかマレーシアとか東南アジアにもムスリムはたくさんいる。中東と東南アジアでも、ずいぶん違いがあるのではないかと思うけれど、その辺には触れず、中東にフォーカスしすぎているのもちょっと違和感。

とはいえ、前作にも書かれていた、近代国家という概念が世界を支配したことによる歪み、つまり、国という概念そのものがイスラムの考えとは相容れないのだという主張は、多くの人にとって考えてもみないポイントなんじゃないだろうか。

この本の中には「イスラムとは人と人との間に線を引かない」のだという。それなのに、世界は難民問題を解決するために、どんどん線が引かれつつあるわけで。トランプしかり、国境をなくそうというEUの概念も揺らいでいるし。

ほんと、10年先どころか、1年先2年先の情勢も見通せない状況。これから世界はどうなっちゃうなろうー。


2017.02.09 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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