読書録:『「とりあえず」は英語でなんと言う? 』


日本語も話せるようになった英語ネイティブが、日本人が会話で普通に使っている言葉を英語で言うとしたらどんな表現がぴったりするか?という視点で(自ら日本語で)書いた本。

「いただきます」「お疲れ様」というこの手の本によくある表現のほか、「キモイ」とか「~的な」みたいな、いわゆる若者言葉も取り上げているのが特徴的。単に候補となる英文を挙げるだけでなく、自分がその日本語と出会ったときにどう感じたかとか、意味がよく分からなかった日本語とか、著者自身の体験も交えて書いている部分が親しみやすい感じ。

紹介されている英語そのものは、それほど目新しいものは多くなくて、簡単なものが多く、日本語のニュアンスとちょっと違うんじゃないかなぁと感じる部分もあったけれど。

逆に言うと、その英訳ではその日本語の意味とはちょっとズレがあると感じられるものほど、そういう概念が英語ネイティブにはないということでもあり、その点は興味深かった。たとえば、「甘える」と「甘やかす」の違いがよく分からないとか。筆者曰く、そもそも「甘える」に該当するズバリの英語はないという。

そういうのって、この前ちょっと書いた対照言語学的に言うと、日本人と英語ネイティブのメンタリティの違いが出てきて面白いなぁと思う。

筆者はイギリス人の父とアメリカ人の母を持ち、イギリスに生まれ13歳からアメリカで育ったというプロフィールの持ち主なので、イギリス英語とアメリカ英語の両方が紹介されている。ただ、あくまで「ネイティブはこう言う、言わない」という観点なので、私のように別にイギリスやアメリカで生活しようというわけではなく、世界中の人とのコミュニケーションツールとしての英語を身に付けたいという人間にとっては、スラングとか覚えてもあまり意味がないので、その辺は流し読みしてしまったけれど。

それはともかく、これだけの本を日本語で書けるわけだし(日本人ネイティブに見てもらっているらしいけれど)、言語感覚に鋭い人なんだろうなと思う。ふんふんと読み物として読んでもそれなりに面白い。

そもそもは、Webで公開したものを本にまとめているのだと思うので、興味のある人はまずはWebを見てみるとよいかも。

英語 with Luke




2017.05.28 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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