読書録:『震災が起きた後で死なないために』


清掃登山など環境活動でも知られる、アルピニストの野口健さんの本。

東日本大震災のときの支援、現地で登山中に遭遇したネパール地震での現地支援の経験を経て、熊本地震でテント村を運営した話を中心に、災害時の対応について持論を述べている。

東日本では物質を送り届けるだけの立場だったのが、ネパール自身で自分も恐怖を体験し、仲間のシェルパたちが被災する中での支援という経験をして、熊本では自分が避難所を運営する立場で、直接被災者と過ごし、支援物資を受け取る側にも回った。そんな多角的な視点から語られる「よりよい避難所」への提言はすごく説得力がある。

熊本では、以前から付き合いのあった岡山県総社市とタッグを組んだことから、非常時での自治体としての動き方などについても踏み込んだ指摘をしている。

「こんな風にうまくいきました」という話だけじゃなくて、うまくいかなかったこと、批判を受けたことなども正直に明かしているので、単なる成功談にとどまらないリアリティが伝わってくる。

本人も認めているように、熊本のテント村避難所が100%うまくいったわけではないかもしれないけど、「ベストよりベター」という考え方は必要なんだろうし、ここで挙げられた実例を踏み台に、それぞれが工夫して「よりよい避難所」につながっていけばいい。そういう意味で、多くの人に、特に自治体に携わる人には、ぜひ一読してもらいたいと思う。

この本では、一人ひとりの防災という意味で、テント体験のすすめということに触れている。うちのアウトドアグッズはみんな手放しちゃったけど、昔しょっちゅうキャンプに行った経験は、いざというときに役に立つかな?


2017.05.30 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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