読書録:『我らがパラダイス』


有料老人ホームを舞台に、介護される老人の格差をテーマにした林真理子の小説。

主人公は、超高級有料老人ホームに勤務する3人の中年女性。職場では優雅な老後を送るお客様たちを見ている一方で、それぞれ自分の家庭にも介護すべき親を抱えている彼女たちが、切羽詰まってある行動に出るというお話。

主人公たちが直面する切実な介護問題が描かれる物語の前半は、林真理子ならではの本音トークが炸裂し、きれい事では済まないドロドロの人間模様がリアルに描かれる。特に、兄弟が非協力的で、ひとりで背負い混んで追い詰められていく様子は、共感できる人いっぱいいそう。

後半の彼女たちの取った行動やその後の顛末は、物語が進むにつれてどんどん非現実的になっていく。それについては、Amazonのレビューでもかなり賛否両論分かれていた。

介護の経験を綴った本も何冊も読んだけど、大変だったとはいえ自分にとっていい経験だったとか、最期は感謝の気持ちを抱いたとか、きれいにまとめたものは山ほどある。そうやって自分の中で整理するしかないのかなという気もするけれど、なんかモヤっとしてしまう部分もある。

その点、フィクションである分、苦労話や美談に終わらせることなく、荒唐無稽な展開でスカッと?させる展開は救われる部分もある。ただ、最後の「事件」は、つまんなかったから、もうちょっと違う結末にできなかったかなとは思うけどね。




2017.06.10 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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