泣けるか、泣けないか

ネガティブな話はもうやめようと思いつつ、続けちゃう。


昨日の「泣けるのは大事」という母の発言がひっかかったのには、伏線があった。

私が実家にいる間に、同じマンションに住む奥さんが母を見舞ってくれたことがあった。その方は入院当初にもお見舞いしてくれていて、「その後気になっていたけど、ご家族のお気持ちもあるからと思って遠慮していた、今の容態はいかがかしら?」と私の携帯宛に電話があったので、ぜひお願いしますと言ったら、さっそく次の日に行ってくれたのだ。

私がいつものように父を連れて病室に行くと、その日の午前中にその方が来てくれたと母から聞いた。その方は病室に入るなり「●●さーん」と言って泣きながらハグしてくれたと。「それで2人で抱き合いながらずっと泣いてたのよ」と言う。そのときも、「情のある人っていいわね」みたいなことを言って、その「いっしょに泣いてくれた」ことがとてもうれしかった風だった。(余談だけど、それを契機に母は死ぬことを受け入れたように、私には見えた。)

そのときは、「そういうお友達がいて良かったね」「ありがいことだね」と私も心底思って、帰宅後、その方にお礼の電話を入れたぐらいだった。その方は母よりは若いけれど、80過ぎの老人。老人同士にしか分からない心情もあるんだろうと思ったし。現実的にいろいろ考えないといけない娘とは根本的に違うわよねと。でも、同じ娘という立場である姉となると、話は別なわけで。

ある意味、姉は直接いろいろな経緯に直接関わってない分、当事者ど真ん中の私とは違うから、素直に涙が流せるのだろうとも思うけれど。

そもそも激情型の姉は親の前でも、今までもしょっちゅう泣いていたみたいだ。ケンカして泣きながら怒ってたこともあるらしいし、(ぼけてしまった)父が可哀想だと同情して泣いていたと聞いたこともある。一方の私、親の前で最後に泣いたのはいつだったろう?

たぶん、祖母(母の母)が亡くなったときだ。確か私は社会人2年目の秋。お通夜の日に祖母の自宅に着いて、棺の中の祖母の顔をみたときは、「楽になってよかったね」と思った。その前に見たのは病室で管につながれて苦しそうにしていた姿だったから。でも、その後手を洗いに洗面所に行って1人になったとたん、急に悲しくなって泣き出してしまった。たまたまそこに母が入ってきて、「あら、アンタどうしたの? え、まさか泣いてるの? なんで? もしかして、おばあちゃん見たら可哀想になっちゃったの? いやあねぇ」って笑われた。祖母は90越えの大往生で、まわりの大人たちは全然悲しそうでもなく、焼き場で扉が閉まった瞬間も号泣してたのは私ひとりだった。

あのときの若かった私は、お見舞いに2回行ったぐらいで介護にも何も関わってないし、純粋に別れを悲しめたけど、他の大人たちは、今の私と同じように、来るべき時が来たと、少しほっとしつつ、淡々としてたんだろうなと思う。そんな出来事はたぶん母はもう覚えてないだろう。

そもそも、なんでも理屈で考えてしまう私は、「いっそ、ここで泣けたらいいのに」と思うことはよくある。父と施設の件でもめたときも、理解できない理屈を並べるよりは、涙のひとつも流してお願いすれば、父の心も少しは動いたのかもしれない。でも、あのときは(無理と分かっていながら)説得しようとすればするほど、きっと怖い顔、口調になっていって父を当惑させたんだと思う。認知症の人って、言ってることは理解できなくても、相手の感情は記憶に残るっていうから。

うちは、夫も理屈先行タイプなので、夫婦でぶつかったとき、冷静にこれこれこうだから、こうしてほしいみたいに伝えれば分かってもらえるけど、私が泣いたり怒ったり感情的になった瞬間に夫も怒り出して、大げんかになってしまう。だから、いらぬ衝突を防ぐためにも、泣かずに常に冷静に、、というのが、よけいに身についちゃったのかも。親にしても夫にしても、「泣かないキャラ」が確立しちゃったみたいな?

母にしてみれば、冷静にコトを進めてくれる娘と、いっしょに泣いてくれる娘と両方いて、幸せなんだと思う。だから、昨日のコメントでも言ってもらったように、私は私でできることをすればいいんだろう。

そう分かっていながらこんなに涙のことで悶々とするのは、実は私も泣きたいのに泣けないストレスが溜まってるのかも。何が悲しくて泣きたいのかはよく分からないけど。こういうときって、いっそのこと「泣ける映画」とか見て涙を流すとスッキリするのかな? ドラマとかドキュメンタリーとかには涙腺弱いから、すぐ泣いちゃう私なので(笑)。なんか、オススメの映画でも本でもあったら、教えて~。

2017.08.20 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 介護



コメント

お薦めの映画

びっけさんこんにちは。日々お疲れ様です。

最近泣けた映画は
「君の膵臓が食べたい」です。
泣くのもセラピーのひとつなので、
実際に涙を流すとちょっとすっきりするかもしれません。
でも劇場公開中なのでちょっと時間がないかしら…。

お母様は独身のお姉さまが心配で仕方ないんだと思います。
びっけさんは家庭を持ちお子さんもいて、そういう点でとてもとても親孝行だと思います。
損な役回りで大変だとは思いますが、逆に自分の思うように介護できる分、
ぴっけさんも幸せだった…といつか遠い先にでも思うことができればなぁ、と思います。
自己満足でいいんです。頑張った人が偉いんです。
当事者は目の前のことでいっぱいなので、時々はちょっと息抜きして下さいね。


2017/08/20 (日) 17:31:49 | URL | kaede #hiiZJbic [ 編集 ]

Re: お薦めの映画

> 自己満足でいいんです。頑張った人が偉いんです。

ありがとうございます。その言葉だけで泣きそうです(笑)。

2017/08/20 (日) 18:19:16 | URL | びっけ #- [ 編集 ]

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