読書録:『嫌われる勇気』


「アドラー心理学」を優しく解説したというこの本、数年前に大ベストセラーになって、あちこちで評判を聞いていた。それを、遅ればせながら今頃読んでみた。

アドラーとは、19世紀後半に生まれたオーストリア出身の心理学者。世界ではフロイト、ユングと並んで三大心理学者などと評されているらしい。他の二人に比べて、なぜか日本では無名だったアドラー心理学を、一般の人にも一躍有名にしたのがこの本だ(たぶん)。

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」という前提のもと、その悩みに対処していく方法が示されていく。

人間関係に悩む「青年」が「哲人」のところに話を聞きに行くという設定で、ふたりの対話形式でアドラーの教えを解説していく。口語調の平易な文体で書かれているので、文章そのものは中学生ぐらいでも読めちゃうかも。ただ、ソクラテスの問答法を思わせるような対話法を用いている故のじれったさはあるし、内容自体は哲学的というか抽象的というか、かなりまどろっこしい感じがするけど。
で、その「教え」の内容は。

たとえば、トラウマを完全否定。自分を縛っているのは、過去の経験そのものではなく、過去の経験が今の自分に与えている意味なのだとする(だから、その意味付けを変えればトラウマはなくなる?)。過去や未来、さらには他人に認めてもらいたいとか、人に嫌われたくないとかいう気持ちに囚われることなく、「今ここの自分自身」を受け入れるべしと。ありのままの自分を受け入れられれば、他人を無条件に信頼できるようになり、人の評価や人の気持ちも気にならなくなり、人と比べたり争ったり嫌ったりという感情もなくなる。そして、誰かの役に立つことで(他者貢献)、自分の存在意義を見いだして幸せを感じられるようになる、って感じ?

ざーーーっくり言っちゃうと、自分の気持ちの持ち方次第ですべては変わる。変わらないのは変えようとう勇気がないだけということ。ある種「信じるものは救われる」的な宗教っぽさもあるし、「んなこと言ったってさぁ!」なツッコミどころはいろいろあるんだけど、そうだよねぇと思わされる部分もある。

実はこの本、以前にも一度読もうと思って借りたのに、なんだかそのときは開いた途端に読む気がしなくて、1ページも読まずに返しちゃったのだった。それが、なぜか今また読みたくなって読んでみたら、面白かった(笑)。

なので、人によって、あるいはそのときの自分の精神状態によって、好き嫌いがかなり分かれるかもしれない。

2017.09.11 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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