読書録:『話すための英語力』

 


国際共通語としての英語』、『本物の英語力』に続く、NHK「ニュースで英会話」の鳥飼センセイの本。(以前の読書録は、こちらと、こちら

タイトルにあるとおり、今回は「話す」ことに主眼を置いて書かれている。

前作では、「本物の」英語力を身に付けるには、文法をキッチリ学んで、文章をたくさん読んで……という正攻法こそ近道!と主張していたけれど、それでも日本人はなぜだか「英語ができる」=「英語を話せる」であって、いわば悲願のようになっていると。ならば、英語のスピーキング力を身に付けるためにはどうしたらいいかが、本作のテーマ。

話すというのはコミュニケーションであるからして、英語話者と会話するときに知って置いた方がいいこと、マナー、習慣などにも触れながら、英語でコミュニケーションを取るときのコツみたいなものも紹介。状況や場に応じた英語の使い分け、ありがちな「困ったシーン」での切り抜け方なんてのもある。

具体的な英語表現の例なども出てくるけれど、それをそのまま覚えて役立ててというよりは、異文化コミュニケーションの極意みたいな話の方が多いかな。最後の方では、プロの通訳が遭遇する問題とか、これからの異文化コミュニケーションについての持論なども繰り広げられている。

言われて気がついたけど、翻訳家とはいうけれど、通訳家とは言わないって、不思議。翻訳と翻訳家は分けて使うのに、通訳といえば、行為のこともそれをする人のことも指すということ。同時通訳などの専門家でもあるセンセイにとって、これは不可解ながら気になるところらしく、おそらく、日本人には書き言葉より話し言葉を軽く見る習慣があるからではないかと。話す専門家が正当に評価されていないのではという主張も一理ある。

ARが開く未来には外国語学習も変わってくるかも?という話に触れているところで、その導入として、センセイ自身がポケGOにはまってしまったというエピソードが微笑ましかった。「ニュースで英会話」でポケGOを扱ったときに、興味を持ってダウンロードしてみたそうだ。ARやAIがいくら発達しても、異文化コミュニケーションには人間の英智が必要となるだろうけれど、根本的な社会変革が起きるこれからの世代の子供たちをどう育てていくか、教育の役割が問われているのではというのが、この本の結び。

テレビの雰囲気そのままのやわらかい感じながら、言うべきことはキッチリ言う感じで、中身はやはりある程度真剣に英語を勉強しようという意思のある人向けの本かもしれない。


2017.09.13 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 読書録



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