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読書録:『わたしを離さないで』


去年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの小説。

読み始めてしばらく、かなり混乱。主人公が話している口調で書かれていた文体は、決して堅苦しくも難しくもなく、読みにくいわけではない。でも、当たり前のようにいきなり説明もなく出てくる「介護人」「提供者」「ヘールシャム」って、いったい何???

すごく普通の日常を描いているようでいて、実はものすごく特殊なSFチックな設定になっている。ということが、言葉の端々にじわじわと出てくる。その概要がつかめてくる100ページ目ぐらいになると、やっとスイスイ読めるようになるんだけど。

ストーリーはあるようでいて、明確な起承転結があるわけじゃない。「特殊な設定」に生まれた主人公たちの子供時代から始まって30歳前半ぐらいまでの話。事件があるといえばある、ないといえばない。主題はとても重いのは分かるけど、たとえばそれが何なのかはうまく説明できない。というか読み終わった直後の今は、正直良くわからない。何年も経ってじわじわと分かるようになるのか、読んだ人の感性に委ねられているのか。

要するに、ノーベル賞をもらうような人の書く小説は、サラッと読んで、あー面白かった!っていうわけにはいかないのだわ(^^;)。そういう意味では、村上春樹の小説と似てるといえば似てるのかもしれない。

私自身本はよく読む方だけど、普段は実用書やエッセイの類が多いし、小説もストーリー展開がはっきりしているものが好き。なので、こういうのはあまり得意じゃない。経験値としては読んでおいてよかったかなと思うけれど。

ここからは、全く個人的な付け足し。

実は、この本を借りたのは2度目だった。ということに気がついたのは、最初のページを読み始めてから。つまり私はノーベル賞受賞よりもだいぶ前に、この本の評判を聞いて借りたことがあったのだ。

でも、最初の方の「なんだ、これ?」ですっかり挫折して、読まずに返してしまっていたのだった。

そもそも、この本、ものすごく文字数が多い。350ページぐらいあるんだけど、文字も小さめで余白も少なく改行が少ない。つまり、1ページほとんど文字がぎっしり。カギかっこのセリフで改行しまくりの昨今のスカスカの小説に比べると、読むのにすごく時間がかかるのだ。

今回も、他にも読まなくちゃいけない本がたくさんあって(言い訳)、返却期限もせまってるし、また挫折しそうになったところを、がんばって読んでみたのには理由があって。

読み始めて、「え、これどういう話なの」っていうのが分らなくてイライラした私は、あらすじを先に把握しようとネットで検索するという暴挙に出た。で、出てきた情報を見て、「あ。私これと同じこと前にもした!」と思い出した。

そう、前に挫折したときも、同じように苛ついてあらすじ探して、ふーんと思ってそのまま返しちゃったのだ。それを、再び検索してネタバレを見るまで忘れてたってこと。脳みそ素通りして出て行っちゃった感じ? ってことは、もしかしたら、また同じ事やっちゃうかも?!

ということで、二度と忘れないように(笑)、がんばって読んでみたというわけ。

結論としては、すごく面白かった、おすすめ!とは言わないけれど、読み応えのある話だとは思うし、読んで損はなかったかなと。挑戦してみたい方はぜひ。






2018.04.16 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 日々のできごと



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