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匂いの記憶

今朝、唇が乾燥するなと思ってリップをつけた。その瞬間、あれ、と思った。


それは普段良く使っているメンタムのじゃなくて、どこかの飛行機の(ビジネスクラス!)に乗ったときにアメニティでもらった外国産のもの。その香料が、母の病室でかいだ匂いと同じだったのだ。

母は、患部が露出するにつれて、強烈な異臭を放っていた。病室には看護師さんが炭を置いてくれたりしていたけれど、やはり臭う。それで姉が無印良品のルームフレグランスを買ってきて置いてくれていた→これ

その匂い自体が結構強かったので、異臭はずいぶん緩和されていたように思う。一方で、そのフレグランスの匂いはかなり印象に残っていた。まさに、その匂い。

今改めて思い出すと、この匂いは覚えてるけど、母の悪臭は思い出せない。その意味では、姉に感謝しなければ(笑)。

で、久しぶりにその匂いをかいだ瞬間、あのときの病室の光景がまざまざと蘇る。無表情でベッドに横たわっている母。音もない静かな病室。「きっと、また、早く来てね」と懇願するように手を握る母を、振り切るように帰ってきたあの日。

悲しいとは感じないけど、懐かしい、とも思えない。

もう1年、まだ1年。最近胸をよぎるのは、もう少し何かしてあげられなかったのかなという思い。自分が具合悪くて寝ているときとかね。でも、いつもたどり着くのは、やっぱりどう考えても、私にはあれ以上のことはできなかったなって。

実家に泊まり込んで毎日通ってあげるとか、可能性としては考えられても、それを2ヶ月続けたら、自分のほうが参ってしまったと思う。自分の心身の健康を保ちつつお世話をするのは、あれが精一杯だ、今でもやっぱりそう思う。

そして母も、本当はもっとしてほしいけど、でも無理よね、って分かってたはず。「あんたはいろいろ良くやってくれて、感謝してる」って言ってくれたし、「ま、しょうがないわ」って感じかなと。元気な頃、必ず文句言ってた毒舌の母なので、そのぐらいが「らしい」のかなとも思う。逆に100%大満足なんて気持ち悪い、ぐらいな(笑)。

こういう気持ちも5年10年経って、やがて自分も年取ったとき、少しずつ変わっていくのかもしれない。

父に対してもそうだけど、まだ元気なご両親がいる人に今思うのは、「やってあげるか、あげないか」迷うなら、やってあげようってこと。相手のため、というよりは、自分が後悔しないために。事情はそれぞれだから、どこまでやればOKっていうラインはないし、あるとしたら自分で決めていいと思う。でも、悔やむ気持ちがあると、自分自身が後々引きずってしまいそうだから。自分がその先嫌な思いを抱えていかなくてすむように、っていうのが一番大事。人間って結局自己中ないきものだからね!

2018.09.29 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 日々のできごと



コメント

そうですね、どこまでやるかのラインは、自分が辛くない程度。親の立場になってみると、子どもが苦しいのは望まないし。ビッケさんは上手にやっているので、数々のレポートは参考になります。

2018/09/30 (日) 11:34:48 | URL | おぐママ #- [ 編集 ]

おぐママさんへ

ありがとう。まあ、ここで書いてるのは私自身が無意識に脚色して正当化ちゃってる部分もあると思うけどね。

2018/09/30 (日) 11:49:23 | URL | びっけ #- [ 編集 ]

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