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映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』

87歳で認知症を発症した母親と、それを老々介護する95歳の父親の日々を、実の娘がカメラに収めたドキュメンタリー映画。


認知症の母親ということで、認知症との付き合い方などがテーマになっているのかと思っていたら、そうではなかった。見終わって感じたのは、夫婦や親子の愛情と絆。認知症ならでの行動をする姿や、それに当惑する父親や娘本人の姿も描かれるのだけれど、あくまでも母親本人の気持ちに寄り添い、本人の辛さを描こうとしている点が印象的だった。

最近情緒不安定な、父の施設の「荒ぶる女」の姿も重なって見える。うちの父も自分が壊れていくのを自覚していたときは辛かったんだろうなぁとかね。

それにしても95歳の父親。母が元気なときは家事は妻に任せきりだったというけれど、料理もすれば掃除もする。腰は90度曲がって歩くのもしんどいのに買い物にも行く。「仕事をやめて帰ってこようか」という娘には「自分が元気なうちは帰らなくていい」と言い放つ。

耳は遠いながらも、頭はしっかりしていて、毎日新聞や本を熟読し、英語にも挑戦している父は、昔から勉強が好きだったのに、戦争のせいで大学に行けなかったのを悔んでいる。その思いを託した娘が東大を出て立派に仕事をしていることが父の誇りでもあるのだ。そんな父の気持ちをくんで、東京での生活を続ける娘。

途中で、さすがに介護保険サービスを使おうという話になるのだけれど、父も母も頑なに拒絶しようとする。これはうちの両親のときも、義両親のときも同じだ。きっと、自分たちが「あちら側」の人間になってしまうことを認めたくないのね。

結局介護保険は使うことになるけれど、両親の自立を見守り続ける娘。私だったらとてもあの状態で二人だけでは置いておけないと思ってしまうけれど、これがこの家族の選んだ形。何が本人たちにとって幸せなのかってむずかしい。

テレビの制作ディレクターを職とし、この映画の撮影と語りと監督も務めた娘は1961年生まれ。母親は昭和4年生まれ。1962年生まれで昭和3年生まれの母を持つ私にとっては、どうしても自分を重ね合わせずにはいられない。同じ年代の人はみんな、他人事とは思えないと思う。機会があったら、ぜひ。

映画の内容がわかる紹介記事はこちら
『ぼけますから、よろしくお願いします。』~介護の現場と両親の想いを克明に映すドキュメンタリー

娘である監督のインタビュー記事はこちら
「ぼけますから、よろしくお願いします。」と言われて。娘が撮った、認知症の母と耳の遠い父の老老介護

おまけ。
微笑ましくて笑っちゃうシーンもあるけれど、私はとても笑えない切ないシーンで、私の後ろに座っていた80代とおぼしきお祖母様方が、ゲラゲラ笑ってたのはなんなんだろー。同年代ならではのツボがあるのかなぁ。



2019.05.15 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 映画など



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